しまんちゅシネマ

映画ノート

エクソシスト ビギニング


2004年(アメリカ)
監督:レニー・ハーリン
出演:ステラン・スカルスガルド(ランカスター・メリン)/ジェームズ・ダーシー(フランシス神父)
   イザベラ・スコルプコ(ドクター・サラ・ノヴァック)/レミー・スウィーニー(ジョセフ)
   アンドリュー・フレンチ/ジュリアン・ワダム
 
■感想
エクソシスト関連いきます!
今日はシリーズ4作目。73年の『エクソシスト』で悪魔と闘ったメリン神父(マックス・フォン・シドー)が
その25年前に体験した、悪魔との最初の闘いを描く作品です
メリン神父を演じるのはステラン・スカルスガルド
 
【ストーリー】
第二次大戦末期。ランケスター・メリン神父は、生まれ故郷のオランダでナチスの残虐行為を目の当たりにし、神への信仰を見失ってしまう。
オランダを離れ放浪の旅をしていたメリンはやがてアフリカに流れ着く。メリンはそこで古美術収集家の男と出会い、彼の依頼で教会遺跡の発掘を行なっているイギリスの考古学調査隊に加わることに。発掘現場でメリンは、理想に燃える若き神父フランシスやドクターのサラと出会い、さらには村の少年ジョセフとも心を通わせていく。しかし、やがてジョセフの周囲で奇怪な事件が頻発するようになるのだった。(allcinemaより)
 
遺跡発掘は、教会の下に封じ込められた悪魔を解き放つことになり、
メリン神父は『エクソシスト』から遡ること25年前のアフリカの地で、
初めて悪魔祓いを体験することになるというお話。
メリン神父の悪魔との戦いの始まりを告げる、まさにビギニングな作品です。
 
ところでこの映画、そもそもはポール・シュレイダー監督で製作が進められたものの
プロダクションがそのホラー描写の少なさに不満を持ち、監督は撮影終了後に解任。
次に雇われたレニー・ハーリンが全面撮りなおしたという、いわく付きの作品なんですね。

でもね、このハーリン監督バージョン、決して成功作ではないよね。
確かにホラー描写はあるのだけど、安っぽく感じるし、
どことなくつぎはぎな印象で、説明不足と感じるところもあるんですよね。
まぁ、眠気を誘う内容だったので、自分の意識が途絶えてたのかもですがw
CGが酷いのも気になりました。
 
ほぼ完成の状態で交代を言い渡されたポール・シュレイダー監督は、さぞ苦い思いをしたことでしょうね。
日の目を見ないかと思われたシュレイダー版ですが、
その後プロダクションは映画を完成させる資金を提供し
2005年に『Dominion: Prequel to the Exorcist』として公開に至ります。
話題性も手伝ってか初登場一位を記録。
DVDがあったので観てみたのですが、個人的にはこちらが好きでした。

ストーリーラインはほぼ同じながら、メリン神父がナチス絡みの辛い体験から、神への信頼をなくし、
信仰を見失うことになる心理が分かりやすい。
情熱に燃える若き神父フランシスの存在が、メリンに信仰を取り戻させ、
葛藤を経て、メリンが神父として復活を果す過程もしっかり描かれていて、全体に落ち着いた仕上がりです。
出演者も一部入れ替わってますが、
シュレイダー版でフランシスを演じたガブリエル・マンは、動作がドン臭いですがw
真摯な神父姿には好感が持てました。
悪魔に憑かれた少年の描写はハーリン版に軍配かな。

 
観るならぜひ両方比べてみて欲しいところだけど
シュレイダー版は日本ではDVDになってない  プキャ 残念。