しまんちゅシネマ

映画ノート

エリザベス・テイラー追悼『ジャイアンツ』

エリザベス・テイラー追悼の意を込め
今月は彼女の出演作品を何本か観ていこうと思います。
 
今日は、テキサスの雄大な自然を舞台に、
ある大牧場主一家の30年に渡る営みを描く大河ドラマジャイアンツ』。
ジェームス・ディーンの遺作でもありますね。
 
ジャイアン(1956)アメリ
監督:ジョージ・スティーヴンス
出演:エリザベスス・テイラー/ロック・ハドソンジェームズ・ディーンマーセデス・マッケンブリッジ
   サル・ミネオ/ロッド・テイラー/キャロル・ベイカー/バーバラ・バリー/デニス・ホッパー
 
■感想
主な登場人物はエリザベス・テイラー演じる東部の名門からテキサスに嫁いできたレズリー
レズリーが嫁ぐ大牧場主のジョーダンにロック・ハドソン
ベネディクト家の使用人から、やがて石油王になっていくジェット・リンクにジェームス・ディーン
ベネディクト一家は古きテキサスそのものを映す鏡。
メキシコ人に対する人種差別や女性のあり方など、時代とともに変わっていくテキサスの姿を
ベネディクト家の変遷とともに、雄大に描きあげるスケールの大きさに
201分という長さを忘れて楽しめました。
 
テキサスにはDon't mess with Texas.という言葉があります。
これはゴミを捨てるなというキャンペーンの標語でもあるのだけど
外から来る人間を排他しようとする保守的な精神を表す意味合いもあるのだとか。
 
プライドの高いテキサス人にとって、メキシコ人への人種差別などは、
簡単になくなるものではないでしょうけど
映画の中では、ベネディクト家のジョーダンがついにその間違いに気づくことで
ようやくレズリーの愛を得ることが出来たことが爽やかに描かれていました。
ジェームス・ディーンは、石油王となり成功するものの
レズリーへの想いは叶うことはありません。
いくらお金持ちになっても、愛のない暮らしは孤独です。とても切ない役柄でしたね。
 
いかにして石油が牧場から生まれていったかなんてことも興味深かったですが
アメリカ初期の四季を通して、その文化を垣間見せてるのがいいです。
 
サンクスギビングのある日、
幼い子供たちが、七面鳥の丸焼きが庭にいたペドロだと知り大泣きするシーンが微笑ましくて、
ここ4回も見ちゃいましたw
子供はどうやってあんな演技ができたものでしょうね。
最高に好きなシーンでした。
 
そうそう、成長した子供ちゃんを演じてるのがデニス・ホッパー
人種差別問題に関わる大切な役割を果します。

エリザベス・テイラーはやはり美しかった。
雄大な自然も似合っていて、思ったよりもしっかりものの演技が似合う人だったんだと
いまさらながら知った次第。