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映画ノート

北国の帝王


 
ロバート・アルドリッチが、大恐慌時代のオレゴンを舞台に
列車をただのりするホーボーと、それを阻止せんとする車掌との執念の対決を描いた傑作アクション映画です。
北国の帝王(1973) アメリ
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:リー・マーヴィンアーネスト・ボーグナインキース・キャラダイン/チャールズ・タイナー
    サイモン・オークランドマット・クラーク/エリシャ・クック・Jr/マルコム・アターベリイ

ホーボーというのが、列車をただ乗りし移動する失業者たちの総称だというのは
先日観た『ホーボー・ウィズ・ショットガン』で知ったところだったけど、
本作はそんなホーボーを主役に、ただ乗りを敢行するホーボーの帝王と
それを阻止しようとする列車の車掌との攻防を描くという作品なんですね。
 
スケールちっちぇ! って思ったあなた。ノンノン
これがとんでもなく面白い映画になっちゃってるんだから~。
 

まず凄いのは、ギョロ目のアーネスト・ボーグナイン演じる車掌シャックの鬼畜振りねw
彼は列車に乗り込もうとするホーボーは絶対に許さず、徹底的に駆遂!
知らずに乗ってしまったら最後・・・ (↑)
だからホーボーたちはシャックの乗る19号車を線路沿いで指をくわえて見送るしかない。
 

ところがそんなシャックに挑む男が出てくる。
ホーボーの帝王リー・マーヴィンだ。相変わらず顔がデカイ。
なにもそこまで執着しなくてもと思うんだけど
撃退されても、彼は何度も19号列車に乗り込み移動を続ける。
それはホーボーとして生きる男の意地であり、死んでいった仲間に報いるためでもあったのか。
 
ボーグナインの攻撃、マーヴィンの抵抗、それぞれバラエティに富んでいて面白く
緊迫のアクションシーンを演出します。
 
それにしても昔の役者の身体能力の高さには驚かされますね。
走る列車の上で死闘を演じたり、列車から転がり落ちたり
それをいいおっさんなマーヴィン&ボーグナインがやってるのが凄い。
 
でも見ものなのはアクションだけじゃない。
意地を超えたプロのプライドのぶつかりあいを
互いをリスペクトする気持ちさえ垣間見せながら描いているところに、
男心をくすぐられた~。って女だけどね (≧∀≦)
 

若いホーボーを演じたキース・キャラダインの存在も
マーヴィン&ボーグナインの格の高さを見せ付けるのに一役買ってますね。
 
ラストシーンは笑いたくなるけど、カッコ悪くて逆にカッコ良かった!
いやいや、気持ちわかるよ~w