しまんちゅシネマ

映画ノート

クロニクル



クロニクル  2012年(米)
原題:Chronicle
監督:ジョシュ・トランク
出演:デイン・デハーン/マイケル・B・ジョーダン
   アレックス・ラッセ
【ストーリー】
高校生のアンドリュー、マット、スティーヴの3人はパーティの日、
森の近くに大きな穴を見つけたことから、物を動かす特殊能力を手に入れてしまう。



今日は特殊能力を手に入れた高校生を描くSFサスペンス・ホラー『クロニクル』を観てきました。
これね、映画オタクの主人公アンドリュー君がいつもカメラを回してるって設定で
ハンディカメラによる映像が揺れるんですよ。
序盤特にそれが強く、友人は最初の15分くらいで退室とあいなりました(;´Д`)

さて、突然特殊能力を得た高校生はどうするか。
もしかしたら『スパイダーマン』みたいにヒーローとして活躍する展開を
期待する人がいるかもしれません。だけど考えても見て。
もし自分だったら、街に繰り出して人助けに奔走する?しないよね普通。
そう、この映画でも3人はその力を、念力が使えたらそれやってみたいなということや
いかにも高校生な幼稚な悪戯に使うんですね。
ところが段々にパワーは強くなり、下手すりゃ人を殺すこともできるのだと気づくことになる。
さて、3人の運命は・・。

いやはや、お気軽ティーンズアクションムービーと思いきや
後半は家庭に問題のあるアンドリューの内なる怒りが爆発し
驚きぶっ飛びのダークファンタジーへと様相を変えます。
クライマックスの恐ろしさはただ事じゃない。
監督が一番影響を受けたのは大友克洋の『AKIRA』だそうで、
未見ですが、観た方は話の展開が想像つくかな。
正直、段々ダークになっていくストーリーに心が落ち着かず、辛いものがありました。
でもなんか凄いものを観たという気持ちになるのも確か。

道徳からかけ離れていく本作、もっとブラックでホラーに着地するところを
ラストシーンでかろうじて救ってますね。

誰にも愛されてないと思ってるあなた。でも愛してくれてる人はいるんだよ とか
力の使い方を間違えるととんでもないことになるよ とか
そんなメッセージも感じる青春映画です。

賛否両論あるでしょうけど、観る価値ありの一本かと。
日本公開は今のところ未定

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