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映画ノート

最高のバディ・ムービー『ミッドナイト・ラン』

バディ・ムービーと言えばこれ!
ロバート・デ・ニーロ演じる孤独なバウンティ・ハンターと彼に追われる心優しき犯罪者との
逃避行をコミカルに描く『ミッドナイト・ラン』
監督は『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』『ジョー・ブラックをよろしく』のマーティン・ブレスト
好きだわぁ。

ミッドナイト・ラン
1988年(アメリカ)
原題:Midnight Run
監督:マーティン・ブレスト
出演:ロバート・デ・ニーロ
チャールズ・グローディン

ヤフェット・コットー
ジョン・アシュトンデニス・ファリーナ

【ストーリー】
シカゴ警察を退職しロスでバウンティ・ハンターをしているジャック・ウォルシュ(ロバート・デ・ニーロ)は、保釈金融会社社長エディ(ジョー・パントリアーノ)の依頼でギャングのジミー・セラノ(デニス・ファリナ)の金を横領した経理係のジョナサン・マデューカス(チャールズ・グローディン)の行方を追いかける。そんな彼を、セラノを追う重要な証人であるマデューカスは渡せないとFBI捜査官モーズリ(ヤフェット・コットー)は妨害するが・・
(映画.comより)


ワケあって警察を退職し、バウンター・ハンターとなったジャック・ウォルシュ(デニーロ)の新しい仕事は、ギャングの金を横領した経理係ジョナサン・マデューカスを捕まえ
裁判が行われる5日後までにロスに連れ帰ること。
一晩の簡単な仕事(ミッドナイト・ランは空いてる道を走る=楽な仕事の意)ものと
思われた連行の旅は、マデューカスの飛行機嫌いから始まり、
彼を追うFBI、ライバルのバウンター、はたまたギャング絡みの追っ手などの邪魔を
くぐり抜けての、命がけのアメリカ横断の旅となる という話。





まだ若いデニーロが、実に楽しそうに演じてるのがいいよね。
チャールズ・グローディンとの掛け合い漫才みたいなやり取りも最高!
横領犯ながら知的で人道的、でもちょっとしつこいwマデューカスと係わるうちに
ウォルシュは、目をそむけていた自身の過去や家族の問題に立ち向かう。
2人の間に、いつしか友情が芽生えて行く様子も心地よいのですよね。

途中、ヘリコプターに追われたり、列車から転がり落ちたり、急流の川を下ってみたりと
アクションも充実してるのは、流石に『ビバリーヒルズ・コップ』のマーティン・ブレスト
思えば男同士のバディものを描かせたらピカイチですね。

FBI捜査官モーズリやライバルバウンター・ハンターなど
脇のキャラを際立たせ笑いどころを仕込んでくるのも楽しいし
モーズリのFBI手帳、煙草、サングラスなどの小物使いも上手い。
ウォルシュのオンボロ腕時計に至っては、彼の過去を語らせたり
最後の最後にも大きな役割を担うわけで、脚本の上手さにも感心します。

ラストシーン、全てが終わってタクシーを拾おうとするウォルシュ。
1000ドル札を見せ、これで乗れるかと訊くと
『ザケンな、テメ、コメディアンか!?」と運ちゃんに一喝される(笑)
スーパーで100ドル札を出して、受け取りを許可され途方に暮れるお年寄りを
目の前で見たことがあるが、100ドル札でさえ持ち歩かない、それがアメリカ。

「だよな」と、仕方なく夜道を歩き出すウォルシュ。
深夜まであとわずか。でも時間はいくらでもある。
彼はきっとこの5日間を振り返り、将来についても思いを馳せたことだろう。
美味しいチョリソを出すダイナーを開く日もきっと遠くないはず。
そんなことを想像し、ホッコリと観終えたのでした。

至極のバディ・ロードムービーです。