しまんちゅシネマ

映画ノート

アルゴ

今日は2本斬りしてきました。
まずはアカデミー賞候補の呼び声の高い『アルゴ』。
ベン・アフレック監督・主演、実話に基づく政治サスペンスドラマです。





アルゴ
2012年(アメリカ)
原題:
Argo
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレックアラン・アーキンブライアン・クランストンジョン・グッドマンケリー・ビシェ



1979年、イランで実際にあったアメリカ大使館員の人質救出劇を描く作品です。
ベン・アフレック演じるCIA職員のトニー・メンデスは、
人質救出を専門とする重責もあってかアルコールに溺れ妻にも逃げられた男。
トニーの案で、6人のアメリカ大使館員の人質救出作戦が実行に移されるんですが
その案というのが、なんと映画のロケ地調べと称しイランに入り
撮影隊に扮した大使館職員たちを国外に脱出させようというもの。
偽装に使われる架空のSF映画のタイトルが『アルゴ』なんですね。
救出劇に偽映画が使われる
こんな奇想天外なことが実際にあったというのに驚きます。

大使館がイランの若者に襲撃される冒頭から緊張が走ります。
彼らは石油の利権を得るためにイランの政治を操作したアメリカを怒っている
CIAはその責任の一端を担っているわけです。




二日間の危険な任務に単身挑むトニー。
彼の捨て身の責任感の裏には、自身の人生を立て直すための挑戦のような気持ちもあったのでしょう。
史実をサスペンスフルに描く骨太な演出に、主人公の人生をダブらせ、映画に哀愁と感動を加味するあたりがベンアフ流。




フェイク映画作品に乗るハリウッド側の人間にアラン・アーキンジョン・グッドマン
映画を愛する気持ちは世界共通と思える演出も嬉しいところでした。

映画の最大の見どころはもちろん終盤の救出劇
ハラハラドキドキ度は映画史に残るかも!
観終えたときに、前に座っていたおばちゃんが私の方を振り返り
「Nice movie !」と一言。
安堵感と感動を誰かと共有したくなる一本です。

10/26~日本公開!

★★★★☆