しまんちゅシネマ

映画ノート

マリーゴールド・ホテルで会いましょう

劇場で観てから数ヶ月が経ってしまった。
まもなく日本公開ということで、DVDで再見しました。




マリーゴールド・ホテルで会いましょう(2011)イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦
原題:The Best Exotic Marigold Hotel
監督:ジョン・マッデン
出演:ジュディ・デンチビル・ナイトム・ウィルキンソンマギー・スミス、デヴ・パテル、ペネロープ・ウィルトン 、セリア・イムリー、ロナルド・ピックアップ


「神秘の国インドの高級リゾートホテルで、穏やかで心地よい日々を」という謳い文句と美しいガイド写真にひかれて、イギリスからインドにやって来た未亡人イブリンら、それぞれの事情を抱えた男女7人。しかし、彼らを待ち受けていたのは「近いうちに豪華になる予定」というオンボロのホテルと刺激的すぎる異国の文化だった。

映画はホテルに集った7人の男女がそれぞれの問題に向き合う様子を
ホテルの再生物語と平行させて描く群像ドラマです。

一昔前は定年したら海外でのんびり暮らしたいと思う人も多かったと思うけど
最近はどうでしょ。住むとしたらオーストラリア?それともハワイ? 
インドを候補地に挙げる日本人は少ないかな。



本作ではインドで老後を過ごそうとする7人のワケあり中高年者が
これまたワケありホテルに集い、それぞれの問題に向き合いながら
進む道を決めていくお話。男女7人+インドの若者の群像劇ですね。

まず老齢のイギリス人とインドという組み合わせが面白いよね。
インドに偏見を持ち、恐々として日々を過ごすマギー・スミスなど
ベテラン陣のコミカルな演技も楽しい。
常套手段ではあるけれど、最初はインドの表面的な部分を描き見せ
徐々にカルチャーや人々の魅力を見せていく手法。

人生も終盤に近づくと、最後の人生をどう生きようかと思うことでしょう。
7人はそれぞれに、何かを変えようと切望していて、彼らの思いには大いに共感できるのですよ。



平行して描かれるのがホテルマネージャーの若者(『スラムドッグ&ミリオネア』のデヴ・パテル)のエピソード。倒れかけのホテルを再建しようと奮闘する彼の情熱が老人たちの気持ちを守り立て、老人たちの英知が若者をバックアップする。美しい恋人も目の保養になりました。
インドの街もまたカラフルで力強い。
欲を言えば、カルチャーギャップをもう少し見せてくれるともっと楽しかったかな。
あくまでイギリス人が垣間見たインドの形だったと思います。




監督は『恋におちたシェークスピア』でジュディ・デンチにオスカーをもたらしたジョン・マッデン
本作でのデンチは悲しみをたたえながらも前向きに生きる女性。素直な笑い声も可愛らしい。
インドの喧騒にも自然に溶け込むデンチ、そして彼女に思いを寄せるビル・ナイも素敵です。

いくつになっても成長できるし人生変えられるのだというメッセージが心地よい作品でした。
★★★★



 

トラックバック一覧

  1. 1. ■マリーゴールド・ホテルで会いましょう■’13(洋2)

  2. 2. 「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」 で人生観が変わってしまう!

    • [★ B型的偏見思考 ★]
    • March 19, 2014 13:21
    •     最初に言いたいことを言わせていただくと、   「素晴らしい! 人生観変わっちゃう! 齢取る事なんて怖くない! 世の中明るいさ!」   って思わせる映画ってコトかな!?       ジュディ・ディンチが主演なんだけど、