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映画ノート

ヒロシマモナムール(二十四時間の情事)

愛、アムール』でオスカー主演女優賞にノミネートのエマニュエル・リヴァ、初の主演作です。





ヒロシマモナムール二十四時間の情事)(1959)フランス/日本
原題:Hiroshima,Mon Amour
監督:アラン・レネ
出演:エマニュエル・リバ岡田英次、ステラ・ダサス、ピエール・バルボー、ベルナール・フレッソン


戦後のある8月6日の日本
反戦映画のロケに広島を訪れていた一人のフランス人女優(エマニュエル・リヴァ)は
滞在最後の日、建築家の日本人男(岡田英次)と一夜の情事に耽る。



男と女の情事の後の会話が延々と続く
互いに名前を訊くでもなし
男は女が広島で見たというものを、ことごとく否定するという不意義な会話
夜が明け別れを告げるものの、男は未練から女のロケ地を訪れ二人は再会
別れまでの一日をともに過ごす。

フランス人女性と日本人男性の熱い恋物語なのかと思っていたら
酒場での話から、女の思いがけない過去が見えてきます。
それは若き日の禁断の恋。
男に話しながら、今もその愛と喪失に囚われていることに気づき戸惑う女。
けれども、封印していたものを解き放つこと
それは女の再生の始まりでもあるんですよね。
新たな愛を見つけることもできるのだという。

映画の冒頭に映し出される原爆後の写真と映像は悲惨で恐ろしいものだけれど
戦争の痛みを抱え、生の感覚を失ったふたりが
一夜の出会いにより人生に新たな光を見出す。
再生する広島にも希望を込めた作品なのかなと思いました。



監督は『アメリカの伯父さん』『風にそよぐ草』のアラン・レネ
女(役名なし)を演じたリヴァさんはこのとき32歳でしょうか。美しいですね~。

★★★★