しまんちゅシネマ

映画ノート

タイニー・ラブ



TiVoが賢いのは、一度録画予約したら主演や監督の関連作品を次々に録画してくれること。今日はその中からマシュー出演のこんな作品を。



タイニー・ラブ(2003)アメリ
原題:Tip Toes
監督:マシュー・ブライト

ポスターからしてマシューとケイト・ベッキンセールのラブコメという雰囲気なんですが、これが意外にシリアスなドラマでした。

新鋭画家のキャロル(ケイト・ベッキンセール)はある日、同棲中の恋人・スティーヴン(マシュー・マコノヒー)の子供を妊娠する。しかし、子供を欲しがっていたはずのスティーヴンが、何故か喜んでくれない。

結婚を前提に付き合っていた恋人同士が、妊娠を機に
思いがけない危機に直面する姿を描く作品です。

まぁ大前提なので言いますが、
マシュー演じるスティーヴンの家族は両親も双子の兄も小人症なんですね。
生まれてくる子供も小人症の可能性が高いことから、さぁどうするということになるわけです。

アメリカでは小人症の俳優も多く、コメディもこなすのでこういう映画も受け入れやすいのかもしれないけど、日本ではおそらく作られないタイプ。
ある意味タブーな作品ですよね。

映画は身障者に対する偏見や、本人家族の葛藤に迫りながら恋の行方を追います。
これがおよそラブコメではありえないような予想外な展開となり驚きます。

ティーヴンの双子の兄を演じるのは、なんと小人症のお姿のゲイリー・オールドマン。ベンジャミン・バトン同様な撮影法でしょうか。

この映画日本でも未公開だったけど、こちらでもえらく評判が悪いのね。
コメディかシリアスかわからない描き方でテイストが掴みにくいのと
無駄と思えるドタバタシーンが多いのが問題かな。
ゲイリー・オールドマンの元カノのことや、ピーター・ディンクレイジパトリシア・アークエットのこととか無い方がよっぽどすっきりしそう。




それでも身障者を描くことに真摯に向き合う姿勢は好感が持てるところで
マシューの葛藤も、ベッキンセールの母性も理解できた。
どんでん返し的ではあるけれど、穏やかな余韻を残すラストも良かったと思います。
ドタバタさせなければもっといい作品になったんじゃないかな。惜しい。

映像はあまり良くないですが、動画貼っておきます。