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映画ノート

『オゾンビ』ビンラディンのゾンビを倒せ!






オゾンビ(2012)アメリ
原題:Osombie
監督:ジョン・ライド
出演:コリー・セビエール/イブ・マロウ/ジェイソン・ウェイド/ダニエル・チャクラン/ウィリアム・ルビオ
日本公開:8/10
いや~、オゾンビって、どんなお上品なゾンビ映画?って思ったら
オサマ・ビンラディンがゾンビになって復活し、新たな戦いを巻き起こすという戦争映画だったw

まず、冒頭から『ゼロ・ダーク・サーティ』ね。
米特殊部隊がビンラディンの隠れ家を急襲。ビンラディンは捕まる直前に何かを自らに注射する。射殺されヘリで輸送される途中、彼はゾンビとして蘇りヘリを墜落させ、再びアルカイダを率いるわけですよ(笑)





これを倒そうとするのが国連の秘密部隊。
それに911で仲間を亡くした元消防士デレクが独自にビンラディンを追い、兄を追ってやってきた妹が
秘密部隊に救出され、メンバーとともに行動。果たして彼らは今度こそビンラディンの息の根を止めることができるのか、、という話。

相手はゾンビだし、しかもゆるゆる系、しかもアルカイダ(笑)
その設定だけでZ級を匂わすし、いいんか~?とヒンシュクではあるものの
これが普遍的な戦争もののクオリティを保っていて、意外にもしっかりしてる。

のろまなゾンビだけど、部隊メンバーも少数ゆえ一人二人と命を落としていく。
兵士のキャラが立ち、プライベートライフについても触れられてるので、死に際のドラマが引き立つ。
ところどころの笑いどころや泣き所も、それまでの会話が伏線になっていたりね。

ただ、アクションはたいしたことなく、中盤は兵士の与太話の間にゾンビを遠くから銃殺するというシーンが繰り返されるのは、ゾンビ映画ファンには物足りないかも。




ビンラディンをゾンビにしちゃうという発想はぶっ飛んでるけど、どうしてゾンビが発生したかとかちゃんと説明していて、そこには社会派でシニカルな視点が窺えます。
ま、と言ってもインタビューを読むと、監督は映画にメッセージなど込めてるつもりはなく
youtube投稿の延長線上に製作した、あくまでゾンビエンターテインメントと言い切ってます。
命知らずで際どい内容には違いないですけどね。
最近テロの脅威が増してきている原因がこの映画じゃないことを祈ります(汗)




メンバーのうち、主役級のチップはマッチョなコリン・ファレル風で脱ぎたがりw
途中からリーダーになった英国人俳優さんが素敵だった。
彼を密かに思う紅一点のトムボーイ(ダニエル・チャクラン)が日本刀でゾンビをバッサバサと斬っていくのがカッコいい。キャラもクールで魅力的でした。

適度におばかで、可笑しくて、それなりにドラマのある
意外に拾い物のゾンビ映画でしたよ。