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映画ノート

アンチヴァイラル





デヴィッド・クローネンバーグの息子、ブランドン・クローネンバーグの長編監督デビュー作です
アンチヴァイラル(2012)アメリ
原題:Antiviral
監督:ブランドン・クローネンバーグ
出演:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズサラ・ガドンマルコム・マクダウェル、 ダグラス・スミス
ジョー・ピングー、 ニコラス・キャンベル、 シーラ・マッカーシー、 ウェンディ・クルーソン
近未来、
ちまたには、セレブの罹患した病原菌を熱狂的なファンに注射する医療サービスが出現。
主人公シドは、クリニックで顧客に病原菌を注射する技師をする傍ら、
自らに病原体を注射、培養して闇マーケットに流している。
あるとき、彼は一番人気のセレブ、ハンナ(サラ・ガドン)が最近かかった正体不明の病原菌を注射するが、ハンナはその後死亡が報じられ、シドにも幻覚症状が現れ始める・・




「セレブの係ったウィルスが自分の体内で増殖するって、なんて素敵!!!」
えーーー?ってなもんですが、これって人気スターがライブで投げたタオルを奪い合い、汗の匂いを嗅いで歓喜するファン心理の究極の形かもしれません。
セレブの食べかけのパンを売る商売もあるらしいし
ブランドン監督は、このヘンテコな世の中を笑ってもいるわけですね。

ips細胞の発見で、医療の将来が大きく変わろうとする現代にあって
セレブの細胞を使って、あんなことやこんなことまで出来るんだよというアイディアが楽しい。
もうけ話には犯罪が付きまとうということで、主人公は大きな陰謀に巻き込まれるのですが
絡みに絡む陰謀の内容も奇想天外ながら、なかなか知的です。

病気に冒される主人公の様子がちょっとグロかったり、セレブの細胞から培養した肉を売ってたりw
シドの妄想シーンにしても、父の影響を強く受けてるのは明らかで、なんだか微笑ましい。
もしや、父の血を注射してたりしないよね(笑)




シドを演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズのパフォーマンスは映画の世界にマッチしていて見事。
説明が少なく分かりづらいのと、スローペースのため眠くなるところもあったけど
白を基調とした映像はスタイリッシュで、知的でシュールなグロに独自のカラーを感じます。
あともう少し時間を削って、もう少しロマンティックな風味を醸し出してくれたらより楽しめたはず。
これからの活躍にも期待!!






トラックバック一覧

  1. 1. アンチヴァイラル

    • [いやいやえん]
    • October 29, 2013 23:18
    • ファン心理って理解しがたい…。病原菌に感染することに抵抗はないのか…。しかも、筋細胞すら肉のように売っている始末…カニバリズムみたいなものなんですかねーこれはまあ、理解出来ますが。 セレブが罹った病気のウイルスを買い、注射するというビジネスが成立して