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映画ノート

【映画】 トランセンデンス



ジョニー・デップレベッカ・ホール主演の新作
天才科学者の脳データーをアップロードされた人工脳の行く末を描くSFです。
トランセンデンス(2014)アメリ
原題:Transcendence
監督:ウォーリー・フィスター
出演:ジョニー・デップレベッカ・ホールポール・ベタニーモーガン・フリーマンキリアン・マーフィケイト・マーラ
日本公開:2014/6/28
ジョニー・デップ演じるウィルは、究極的な人工知能を開発研究する天才科学者。
研究が成功すれば世界は画期的に変わる。
彼はそれを「トランセンデンス/超越」と呼んでいます。
しかし、そのテクノロジーに危機感を覚える団体がウィルを襲撃。
徐々に死へと向かうウィルの脳データーを妻のイヴリン(レベッカ・ホール)がコンピューターにアップロードしたことから、大変なことが起きる・・という話。
監督はクリストファー・ノーラン作品の撮影監督として有名なウォーリー・フィスター
これが初監督作品になります。

これ、トマトメーター19%に見るように世間の評判はよろしくない。
低評価の理由として考えられるのは、映画で描かれるテクノロジーが超越過ぎるからでしょうか(笑)
人工脳によって一気に加速した科学が生む究極の世界は「神」の領域を侵すもの。
個人的にはゾンビ映画を見るような面白さがあったのだけどw
神を身近に感じる人ほど、嫌悪感を覚えるのかも。
 
もちろん映画は、究極に進化するテクノロジーに異を唱え「それでいいのか」と待ったをかけるのだけど
反対勢力が暴力に訴えるテロリストであることから、正義はどこにあるのかが曖昧に感じるところもありました。

デップ演じるウィルは悪か善かというのも意見が分かれてますね。
スクリーン上のウィルはあくまでAI(人工知能)で、ウィルそのものではない。
けれど技術に夢を託したのはウィルたち人間であり、コンピューターの暴走で片付けれないものがあります。脳データをアップロードしてしまい、きっかけを作ったのは妻であるイヴリン。
名前にも現れているようにイヴリンは禁断の木の実を食べたイヴという描き方でしょう。
でも愛する人を失う段階にあって、イヴリンが夫の何かを残したいと思う気持ちは理解できるところ。
彼女自身も科学者であり、理想郷を作れると信じた夫婦の思いが切ないのですよ。

科学に説明がないと批判する声もあるけど、
説明されてもわからないしw 突っ込みどころはあれど個人的にはこれでよし。
科学はどこまで進むべきなのかと考えさせられる作品でした。

ジョニー・デップはもごもごと喋る感じで、私には聞き取りにくいところがあったのが残念。
人工脳のウィルとの違いを曖昧にする狙いがあったのかな。
イヴリンを演じたレベッカ・ホールは実質上主役でしょうね。うまいです。
「超越」に疑問を抱き始める科学者仲間にポール・ベタニー
告白することはないけれどイヴリンを愛してもいたんだろうなぁと思えて良かった。
やがて反対勢力にも加担する彼は、さまざまな「曖昧」が描かれる中、その中心的な存在でした。