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映画ノート

【映画】 『変態小説家』 サイモン・ペッグのパフォーマンスが楽しい




小説家が出てくるシリーズ・・・
え?まだ続いてたの?(笑)
いやいや、これも入れたかったなってことで。

サイモン・ペッグ主演の日本未公開のコメディ
イギリスのロックバンド クーラ・シェイカーのイケメンボーカル、クリスピアン・ミルズの初監督作品です。
変態小説家(2012)イギリス
原題:A Fantastic Fear of Everything
監督:クリスピアン・ミルズ
出演:サイモン・ペッグ/クレア・ヒギンズ/ポール・フリーマン
日本公開:未公開

児童小説からテレビの犯罪ドラマのライターに転身したジャックは、
ヴィクトリア時代シリアルキラーの研究に没頭するあまり、誰かに殺されるとの妄想に駆られるようになる。
全てのものに恐れを感じ、ここ3週間はアパートを出ることもままならない。
そんなとき、担当エージェントからハリウッドの脚本家がジャックに興味を示しているとの知らせを受け、夜8時の打ち合わせに出席することになるが・・・

 クラシック怪奇映画風のオープニングがいい感じ。
UKロックにも疎いもので、クーラ・シェイカーもクリスピアン・ミルズも知らないんですが、
挿入歌や効果音が印象的で、さすが音楽畑の人だと思うところ。

でも本作の立役者はサイモン・ペッグですね。
ポスターで判るように、ジャック(ペッグ)はもとの色が判別できないような薄汚いパンツを穿いてますw
妄想のため家事もマトモに出来ない状態で着替えがないのね(笑)
お金もない彼は、この仕事にかけるしかなく、なんとか打ち合わせにいきたい。
そのためには下着の洗濯が必然ってわけで、第一関門突破にむけたドタバタが笑えます。
ジャックはナイフを手放せない。だから名前もジャックなのかな。
カオス状態のジャックをほぼワンマンショー状態で演じ、身体を使ったパフォーマンスで魅せきるペッグの
コメディアンとしての力量に脱帽です。
彼は声もいいのね。ナレーションや本の音読ひとつとっても世界観を作り上げる上手さがありました。




 ジャックには、実は幼い頃のある体験からトラウマを抱えているんですが
本作はトラウマを克服するジャックの成長物語でもあります。
まぁ、その過程の大騒動も突拍子もないんですけどw
クレイアニメが挿入されたり、妄想が描かれたりと映像もユニーク。
新しさもあるし、監督は面白い存在になるかも。ホラーの分野を極めて欲しい気がします。

劇中、ヒロインサンギート(アマラ・カラン)がジャックを励ますシーンでの台詞がとってもよかった。
日本未公開で、DVD発売は8月だそうです。