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映画ノート

【映画】 オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主




ディーン・クーンツの人気シリーズの第1作『オッド・トーマスの霊感』を『ハムナプトラスティーヴン・ソマーズ監督で映画化したミステリー・ホラー。主人公のオッドにアントン・イェルチンが扮します。
オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主(2013)アメリ
原題:Odd Thomas
監督:スティーヴン・ソマーズ
出演:アントン・イェルチン/ アディソン・ティムリン/ ニコ・トルトレッラ/ パットン・オズワルト
ウィレム・デフォー
日本公開:2014/1/10

 アントン君演じるオッドは(名前からオッド(変)ですが)、『シックス・センス』のハーレイ君のように、霊が見える能力を持っています。
優しく正義感の強い彼は、言葉を喋らない霊の無念を感じ取り、警察の犯罪捜査に協力したりしもしてるんですね。警察署長のワイアット(ウィレム・デフォー)と恋人のストーミー(アディソン・ティムリン)はオッドの正体を知っています。
ある日、街に莫大な被害が及ぶ何かが起こることを察知したオッドは、街を救うべく奔走する・・
というお話。

 冒頭、『007』シリーズのような執拗な追走劇で見せるアクションが結構な迫力。
オッドの能力と彼の交友関係を紹介し、街に危険が及ぶまでを説明する前半もテンポよく
正直、リードで引っ張られながら小走りに散歩させられる子犬のような気分になりましたがw
これはコンパクトにまとめる腕前を褒めるべきかな。



中盤以降は、街に起きようとしている重大事件を探るミステリーな展開にシフトしていくのですが・・
これにオッドとストーミーとのロマンスも見せて、96分に収めるのは至難の業だったでしょう。
どうしてもはしょりすぎな印象でね。もう少しじっくり見せてほしかったなぁ。

オッドは霊が見えるだけで、空を飛ぶなどの特殊身体能力が備わっているわけではない
そんな彼が身の危険を冒してまで、街を守ることに奔走するのは何故か。
それが一種宗教的(どちらかというと仏教)な考えに基づいているのは面白いと思いましたね。
霊が見えるかは別として、私たちは誰でも救世主になりえるということ。



 悪霊などのCG映像は『ハムナプトラ』の監督らしいと思うところ。
面白いのは、アントン君に見える霊が、私たちにはときに生きてるのか死んでるのか判らないという点。
これをうまく使ったラストのシークエンスがかなりよくて、泣かされてしまいました。
ジャンル盛り込みすぎて、結果的にどれも中途半端に感じるものの
最後ロマンス部分でキュンとさせてくれたのは嬉しかったな。