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映画ノート

【映画】『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』:スカヨハ宇宙人が怖い!



アンダー・ザ・スキン 種の捕食(2013)アメリ
原題:Under the Skin
監督:ジョナサン・グレイザー
出演:スカーレット・ヨハンソン/ジェレミー・マクウィリアムズ/リンゼイ・テイラー・マッケイ
日本公開:2014/10/4
夕闇のスコットランド
美しいがミステリアスな女性(スカーレット・ヨハンソン)が、車を走らせながら何かを探している。
孤独な男を見つけては道を聞き、車に誘い込み・・・


スカーレット・ヨハンソンが宇宙人を演じるSFスリラーということで観てみました。




冒頭、大きな光がやがて目となり、次に妙な言葉が聴こえてくる
いつしかそれは発音練習へと変わり、地球への道すがら言葉を習得する。
地球では真っ裸のスカヨハが登場し、床に横たわった女性から服を脱がせて着る・・。
有名SF作品のオマージュと思われるこれら一連のシーンのあとは
人間を装ったスカヨハが孤独な男を誘惑しては獲物を処理していく という作品です。




いやぁ、なんというか、これめっちゃ変な映画だったわ。。
無表情でほとんど言葉を喋らないスカヨハがとにかく不気味でね。
それでも男たちは美しく肉感的なスカヨハにノコノコとついて行くんですよね。
とんでもない目に遭うとも知らずに。

アンダー・ザ・スキンというタイトルは、文字通り人間の皮を被った宇宙人を意味してると思うんですが
宇宙人が遭遇する男の中には、親切を装いながらスカヨハの身体を狙う者もいて
人は見かけだけで判断できないってことも言ってるのかなと思ったり。

それにしてもただならぬ雰囲気を漂わすスカヨハの不気味なこと。
車を運転するその表情だけで、「人間・・ちゃうよね」って思うもんなぁ。
人と接するうち彼女の中で何かが混乱し始める様子もうまい。

途中何度もバイクを走らす男が登場しどうやら宇宙人をサポートしてるようなんですが
彼は人間なのか何なのか、一切の説明もないので私たちは想像するしかないんですけどね。
お持ち帰りした獲物のその後を見せるシーンは怖がるべきなのか笑うべきなのか
おそらくはアートなのでしょう。
太鼓のような効果音も印象的で、夜見たら悪い夢見ると思います(笑)
ベッドでHしそうになるシーンのスカヨハが取った行動には爆笑だったけど
同時に戦慄も走るという、笑いとサスペンスが紙一重な描写はレフン監督に近いかな。
なんにしてもアートなホラーという印象でカルト臭漂いまくり。
それでも街には移民が溢れるスコットランドの社会情勢を垣間見えたり
浜辺で人が溺れるシーンがやたらリアリティがあったり
変な映画と片付けられない何かを感じさせる一本でした。