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映画ノート

【映画】『モーガン・ブラザーズ』”シッチェス映画祭





シッチェス映画祭特集 3本目
今日は昨年のシッチェス映画祭ミッドナイト・エクストリーム部門でグランプリに輝いた
オーストラリア産のブラックコメディです。

モーガン・ブラザーズ(2013)アメリ
原題:100 Bloody Acres
監督:コリン&キャメロン・ケアンズ
出演:デイモン・ヘリガン/アンガス・サンプソン/Anna McGahan/ジェイミー・クリスチャン
日本公開:2014/10

有機肥料工場を営み、田舎町でちょっとした事業を展開するモーガン兄弟。
彼らの肥料が好評なのには理由があって、実は事故で死んだ人や動物を路上で拾ってきては粉砕して肥料に混ぜ込んでるというわけ。だから死体がなければ仕事も続かない。
ある日、久々に路上で事故に出くわしたモーガン兄弟の弟レジが、死体をトラックに積み車を走らせていると、野外コンサートに行く途中の男女3人がヒッチハイクしてくる・・。



コリン&キャメロンのケアンズ兄弟が脚本、監督を務めるスプラッターホラーコメディです。
いかにもゆるく、B級の香り漂う一本ながらこれ意外に楽しめちゃいました。

テキサスにはレザーフェイス、オーストラリアの田舎にはモーガン兄弟



もとい・・・




いわゆる「田舎に行ったら殺された」系
よそからきた若者が田舎で肥料工場を経営する兄弟に誘拐され、肥料にされそうになるという話ですが
これキャラ設定が思いのほか丁寧なんですよ。




3人の若者はヒロインソフィーを巡りちょっとした三角関係にある
一方モーガン兄弟は、暴力的な兄に威圧され弟はストレスを感じながらも、兄に認められたいと思ってる。
3人はそんなモーガン弟の野望のため誘拐されてしまうわけなんですが
彼らの繰り広げる逃亡劇と内輪もめw モーガン兄弟の確執が
ドタバタな悲喜劇を織り成し、スプラッターな中にちゃんとドラマを盛り込んでるんですね。

凄いなと思うのは、登場人物たちが次第に愛しく見えてくること
ヒロインがただのセックスアピール要員になっていなくてキャラ的に魅力的なのもマル。
邪悪なモーガン兄含め、悪者にも何かしら人間の弱さや悲しみが描かれるから
誰をも嫌いになれないし、しょーもない話のはずなのに映画も嫌いになれません。
ユーモアも効いてて、冒頭の看板から笑えます。
と言ってもグロ映像がリアルだし、ほのぼのと思ったら残酷だったりするので
万人にはおススメできませんけどね。ホラーファンは楽しめるかと。




モーガン弟を演じるデイモン・ヘリガンは食中毒中のヒース・レジャー風。
彼の成長物語でもあります。