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映画ノート

【映画】『サボタージュ』観客を惑わすキャスティングがミソ




サボタージュ(2014)アメリ
原題:Sabotage
監督:デヴィッド・エアー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガーサム・ワーシントンオリヴィア・ウィリアムズテレンス・ハワード/ ミレイユ・イーノス / ジョー・マンガニエロ
日本公開:2014/11/7
悪の巣窟に命がけで挑む警官コンビの奮闘をスリリングに描いた 『エンド・オブ・ウォッチ』に続き
今回デヴィッド・エアー監督が描くのはエリート特殊部隊の麻薬カルテルとの闘いです。

主演はアーノルド・シュワルツェネッガー
冒頭、シュワちゃん率いる麻薬取締局(DEA)のエリート捜査チームは麻薬組織の隠れ家に潜入し、見事な連係プレーで売人を撃破。そこで見つけた大金のうち1000万ドルあまりを押収します。
残りは焼き尽くしたところを見ると押収ではなくネコババかな。
ところがそのお金が忽然と消え、メンバーは盗人容疑で捜査されることになるわけですが、さらには一人一人と無残に殺され始めることに。
お金はどこに?メンバー殺害の犯人の目的は?・・という話。




まず、還暦過ぎのシュワちゃんが特殊部隊の現場を指揮するということに大きなムリを感じたんですが
リアリティを身上とするエアー監督が、それでもシュワちゃんを起用した狙いはなんだったんだろうと考えながら観てました。
おそらくは、シュワちゃんのヒーロー的イメージを逆手にとったんだろうな。
シュワちゃん演じるジョンは、メンバーに父と慕われる伝説の麻薬捜査官。
そこまでは本来のシュワちゃんのイメージどおりです。
ところがジョンのある暗い過去から観客は彼の中に影を感じざるを得ない。
でもシュワちゃんが猟奇殺人?それはないだろと思うわけで
ミステリーに先入観を持ち込むことで観客は見事に翻弄される。
作り手の狙いは成功と言えるでしょう。
そういうことかぁという驚きがあって面白かったんですが
ただね、お金をどうやって隠したのかとか細かいところが完全に投げっぱなしのため、ミステリー的にはクソ映画だと思う(笑)あくまで動機との繋がりに重きを置き、アクションのリアリティを追及した一本ですね。
『フューリー』が史上最大にダークな戦争映画だとすれば、今回は史上最大にダークな特殊部隊映画。
最高にグロいのでご注意ください。

チームメンバーにサム・ワーシントンテレンス・ハワードミレイユ・イーノス
捜査を担当する市警にオリヴィア・ウィリアムズなど、今回は女性も活躍します。
黒人刑事とのコンビがユーモラスで楽しかった。

ちなみに、これ別エンディングがあるようで・・
もしかしたらDVDに収録されてたのかな。確認もせずに返却しちゃいましたわ。残念。




おひげみつ編みのサム・ワーシントンとつる姫カットシュワちゃん