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映画ノート

【映画】パディントン

先日英国アカデミー賞が発表されました。受賞結果はこちら。
この賞では英国作品を対象にした英国作品賞という部門があって、今年は『博士と彼女のセオリー』が受賞しています。嬉しいなぁ。
今日はその英国作品賞にノミネートされた一本、イギリス人作家マイケル・ボンドの児童文学作品『くまのパディントン』を実写映画化した『パディントン』を観てきました。



パディントン(2014)イギリス
原題:Paddington
IMDbデータ


おじさん夫婦と仲良く森で暮らす小熊は、地震で森が壊滅状態になったことを機にロンドンへとやってくる。駅で途方に暮れる彼に親切に声をかけてくれたのはブラウン家のメアリー夫人。パディントンと名前をつけてもらったクマは、ブラウン家で一晩を過ごすことになるが・・

CGのクマを主人公にした児童小説の映画化って、正直自分の観る映画じゃないと思ったんですけどね(笑)まぁ付き合いもあって、たまには友達の選択にお任せするわけなんですよ。
英国作品賞にノミネートされてることも知らなかったし、とにかく期待ゼロで観たんですが、これが意外に面白かった。


昔、おじさん夫婦と交流のあったクライド博士という探検家を頼ってロンドンにやってきたパディントン。しかし彼はそのことで思わぬ危険に遭遇することになります。
映画はパディントンの奮闘をアドベンチャーで見せつつ、ブランウン家との交流をハートウォーミングに描くというもの。



原作を知らないもので、駅で佇むクマに人間が普通に声をかけるところとか、その世界観を受け入れるのに少し時間はかかったんですけどw、クマなのにマーマレードを手作りしたり、その意外な行動が可愛くてツボ。

思うにこの映画、意外性というところに結構こだわってると思うんですよね。
登場人物にしても、お父さんが意外と・・・だったり
クライド博士の娘があれだったり(笑)

ロンドンの町並みや家のインテリア、家族の暮らしぶりなどイギリスの文化自体私には目新しく胸が弾んだし、色んな映画のオマージュと思えるシーンを入れる監督のセンスも好き。目新しさにも次第に慣れてはくるものの、95分とコンパクトなので飽きるまでに終わるのがいい。

ところで、これストレートに観れば、パディントンの存在が家族を結束させていくというハートウォーミングなファミリーものに違いないんだけど最後のパディントンの台詞に「ウン?」と思うところがあってね。パディントンが森を離れるきっかけが、森が破壊されたことだったり、ロンドンにはシートの下に隠れて船に乗ってきたりと、何か「移民」を髣髴とさせるんですよ。
勝手な見解ですが、異端なパディントンを移民とみなすと、彼を取り巻く環境や人々との交流も違った意味合いを持ってくる気がしますね。

パディントンの声にベン・ウィショー
知らずに観たので、エンドロールで吹き出しちゃったわ。
もともとはコリン・ファースだったらしいですが、コリンの声は大人っぽ過ぎてどうしても合わないということで、途中からウィショー君に交代したそうです。
オスカー俳優を下ろすの勇気が要ったことでしょう。

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