【映画】『ヴィジット』裏をかかれた
ヴィジット(2015)アメリカ
原題:The Visit
監督/脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:オリヴィア・デヨング / エド・オクセンボウルド/ ディアナ・ダナガン/ ピーター・マクロビー/ キャスリン・ハーン
【あらすじ】
休暇を利用して祖父母の待つペンシルバニア州メインビルへとやってきた姉妹は、優しい祖父と料理上手な祖母に迎えられ、田舎町での穏やかな1週間を過ごすことに。祖父母からは、完璧な時間を過ごすためにも「楽しい時間を過ごすこと」「好きなものは遠慮なく食べること」「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」という3つの約束を守るように言い渡される。(映画.comより)
【感想】
シャマランにしては評判いいとなと思ったときには上映が終わってまして、やっとDVD鑑賞です。
今回まず思ったのは、いまどき珍しくもないPOV方式なんだなということ。
その効果のほどは置いといて、
姉のベラが「映画を撮ることに興味を持つ女の子」なのはシャマラン自身の投影だろうし
本作が低予算映画になっているところなどにも
初心に帰ろうとするシャマランの気持ちを(勝手に)感じて、勝手に膝を正したよ。
シャマランといえば「意外な正体」「ひねりのあるオチ」に期待してしまうんですが
今回は逆の意味でやってくれました。
まず「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」ってのがそそるよね。
日本人なら「鶴の恩返し」とかww想像するわけで(笑)
九時過ぎたら何が起きるの??
じいちゃん、ばあちゃんの正体は?にワクワク。
で、眠りにつこうとすると早速ドアの外でなにやら怪しい物音がして
開けてはいけないと言われていたドアを開ける・・・
うげ?・・
ま、でも出し惜しみも美学ということで
そこから祖父母の異様な行動を姉弟と一緒に目撃することになるんですが
ただ直ぐに昼間の奇行にシフトするところは個人的には不満で
夜から責めんかい、夜から!と思っちゃったけど
正体にしっかりオチを作ってくれたのでよし。
この先、半分ネタバレなので、読みたくない方はスルーしてくださいね。
とにかくおばあちゃんの怪演やらちょっとした台詞から
私は完全に「宇宙人乗っ取りもの」を想像したんですが
違ったんだな。
全部のネタバレはしませんけど、今回のオチは観客の期待を前提に完全に裏をかいてきた形で
そこがしてやられた的な面白さになってました。
部分部分はトンデモでも、話自体はありえるスリラー
しかも本当に怖い話だったものね。
でもその怖い話にトンデモないギャグを持ち込むのもシャマラン(笑)
まぁとにかく怖くて笑えて汚い映画だったけどw
母と祖父母の確執を取り除こうとしたり、年寄りを理解しようとする子供たちが凄くいい子たちで
頑張って前を向こうとする親子の関係がよくて、ちょっとしみじみ。