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映画ノート

【映画】『オートマタ』価値観変えられます

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オートマタ
(2014)ブルガリアアメリカ/スペイン/カナダ

原題:Automata
監督/脚本:ガベ・イバニェス
出演:アントニオ・バンデラス /  ディラン・マクダーモット/ メラニー・グリフィス/ ビアギッテ・ヨート・ソレンセン/ ロバート・フォスター 

 
  
 【あらすじ
2044年太陽風の増加により荒廃した地球。人口は激減し労働力を補うため、大企業ROC社によりAI搭載の人型ロボット(オートマタ)が開発され、あらゆる分野で人間のサポート役として活躍していた。膨大な数のオートマタを管理し、安全を担保するための2つの制御機能(プロトコル)・・。1つは“生命体に危害を加えてはならない”、2つめは“オートマタ自ら修理・改造をしてはならない”。しかしある日、何者かによって改造禁止のプロトコルが無効化されたオートマタが発見され、ROC社の保険部で働く調査員ジャック・ヴォーカンは調査を開始するが…。(allcinemaより抜粋)


【感想

帰省中、将来はロボットがタクシーを運転するようになるかもとのニュースを耳にしました。
ここ最近のAIの進歩は著しく、本作の舞台となる30年後に、AIが人間に代わって家事や介護のみならず運転から建築業までをサポートしていても不思議じゃありません。

でも心配になるのはタクシーの運転手の仕事がなくなるというだけでなく、人工知能が人間の能力を超えてしまうのではないかということ。
強いものが世界を支配するのは当然の流れ。もしも高度に知能が発達したロボットが暴走したら・・
本作はそんな危惧を含む、荒廃した近未来を描くデストピア・SFです。


主人公は人型ロボットを開発、管理する企業の保険部で働くジャック・ヴォーガン(アントニオ・バンデラス)。
バンちゃんお久しぶり。
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彼は放射能に汚染された都会の地で、妻がはじめての子供を出産することを心配している。
さらにジャックを悩ますのが、ロボット第二のプロトコルである「自らを修理・改造してはならない」というルールを冒す事件が起きたこと。
ロボットに何が起きてるの?人類の未来は?というお話ですね。

地球の老朽化や地球温暖化がもたら変化で人類は滅亡に向かうとする近未来SFは沢山作られるようになりましたが
人工知能を絡ませたものは珍しいかもしれません。
でもこの映画に描かれることは絵空事には思えないんですよね。

放射能にも自然災害にも弱い生身の人間は、もはやどんな対処を施しても地球の変化に追いつけない。
氷河期に恐竜たちが息絶えたように、環境に適応しないものは強いものに淘汰されていくのは自然の掟
ならば環境に強く、壊れても自分で修理までできるロボットが、人類に代わって地球を支配したとしても不思議ではないんじゃないか・・。

人類が一番賢いのだと信じていた自分の考えがこの映画で変えられた気がします。
でも、悔しいという感覚でなく、とても穏やかな気持ちで負けを認めるというかね
それがいいかどうかは別として
人間は所詮限られた命を生きる生き物で、だからこそあくせくせず
自然と共存しながら自分に与えられた命を穏やかに全うすればいいんじゃないかと 何か達観した気分。

あるいはゴキブリが醜いと思うのは人間の視点であって
未来を生き抜くロボットがゴキ型だとしてもおかしくない。
人間の言葉を喋らなくても、放射能にも強いゴキブリの言葉が話せて彼らと交流できればその方が有益だ

あー、既成概念から価値観まで変えられた気がします。

バンデラスも音楽も、この世界観にマッチしてよかった。
この映画に出てくるロボットたちはデジタルではなく全てリアルに作られたものらしい。
だからこそ、ジャックと心を通じ合わせる様子もあまり違和感がなかったのでしょう。

途中ちょっと思考が追いつかないところがあったけれど面白い映画でした。


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関係ないけど・・
共演のメラニー・グリフィスの整形顔がキム・ノヴァクの二の舞になりそうな感じで気になってしまった(汗)







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