【映画】『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』アラン・リックマン遺作のドローン戦争映画
アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2015)イギリス
原題:Eye in the Sky
監督:ギャヴィン・フッド
脚本:ガイ・ヒバート
出演:ヘレン・ミレン/アラン・リックマン/アーロン・ポール/ バーカッド・アブディ
日本公開:2016
【あらすじ】
英国軍大佐キャサリン・パウエルは、ナイロビの爆弾テロ事件の犯人を捕らえるべく、遠隔操作による偵察を指揮している。犯人の拠点と目星をつけた建物で決定的な瞬間を迎え、空爆の指示を仰ぐパウエルだったが・・
英国軍大佐キャサリン・パウエルは、ナイロビの爆弾テロ事件の犯人を捕らえるべく、遠隔操作による偵察を指揮している。犯人の拠点と目星をつけた建物で決定的な瞬間を迎え、空爆の指示を仰ぐパウエルだったが・・
【感想】
アラン・リックマンの姿を見れる最後の作品ということで劇場に駆けつけました。
ドローンを使った最先端の戦争を描く軍事スリラーというと、『ドローン・オブ・ウォー』が記憶に新しいですが
今回はさらに小さな昆虫型ドローンなんかも登場して、技術の進歩に単純にビックリ。
『ドローン・オブ~』では劇中何度も何度も空爆するシーンがあったけど、今回はなかなかスイッチを押さない。
予告にもあるので書きますが、
彼らが空爆にゴーサインを出さないのは一つには、幼い少女がターゲット内にいてどいてくれないから(汗)・・
監督上手い!と思うのは、フラフープをする少女の姿をドローンが早くから捉えていて、緊張した司令室の中でその子がオアシス的存在になっているというシチュエーションを最初から作り上げていること。
誰もその子を巻き添えにしたくないし、観客もその子の無事を祈らずにおれず、緊張感にも拍車がかかります。
しかし一人の少女を救うことで数百人の市民の命が奪われるとしたら・・
さて軍はどういう決断を下すのかという作品ですね。
ともすれば会議室の討論会になりそうなところを、ケニアの現場のアクションや、役者のリアクションなど
ときにブラックユーモアを交えた見せ方で飽きさせません。
『キャプテン・フィリップス』で海賊を演じた バーカッド・アブディがナチュラルな演技で現場の緊張を盛り上げて最高。
一発屋じゃなかったことを証明しましたね。またオスカーノミネートもあるかも。
長年追ってきたテロリストのアジトを掴み、米国の協力を得てドローン偵察を指揮するパウエル大佐を演じたヘレン・ミレン。
脚本の時点では男性が想定されていたというこの役にヘレン・ミレンを抜擢した人選の素晴らしさ。
強さと冷徹さの中に女性ならではの優しさもあってかっこいい。
ピアスに薄ピンクのマニキュアも仕事が出来れば男女平等というあえてもの演出でしょう。
「これまでで一番飾り気のない衣装だわ」と仰ったらしい迷彩ユニフォームだってお似合いですから!
アラン・リックマンも台詞の絶妙の間(ま)に上手さが光ります。
知性とユーモアがあって、シニカルだけど確固とした信念を持ち誠実な軍人を
威厳を前面に出したステレオタイプにせず、ナチュラルに演じきったリックマン先生に惜しみない拍手を送りたい。
その美声ももっともっとお聴きしたかった。
ミレンさまとリックマン先生のライン(じゃないってw)のやり取りにも萌えました~。
監督は『ツォツィ』『国家誘拐』のギャヴィン・フッド。後で知ったのだけど中佐役で出演もしています。
最後の判断をくだすまでの過程にモラルや政治的な建前等、現代の戦争の様々な側面を描いてみせるところが非常に知的でスリラーとしても面白い映画でした。
アラン・リックマンの姿を見れる最後の作品ということで劇場に駆けつけました。
ドローンを使った最先端の戦争を描く軍事スリラーというと、『ドローン・オブ・ウォー』が記憶に新しいですが
今回はさらに小さな昆虫型ドローンなんかも登場して、技術の進歩に単純にビックリ。
『ドローン・オブ~』では劇中何度も何度も空爆するシーンがあったけど、今回はなかなかスイッチを押さない。
予告にもあるので書きますが、
彼らが空爆にゴーサインを出さないのは一つには、幼い少女がターゲット内にいてどいてくれないから(汗)・・
監督上手い!と思うのは、フラフープをする少女の姿をドローンが早くから捉えていて、緊張した司令室の中でその子がオアシス的存在になっているというシチュエーションを最初から作り上げていること。
誰もその子を巻き添えにしたくないし、観客もその子の無事を祈らずにおれず、緊張感にも拍車がかかります。
しかし一人の少女を救うことで数百人の市民の命が奪われるとしたら・・
さて軍はどういう決断を下すのかという作品ですね。
ともすれば会議室の討論会になりそうなところを、ケニアの現場のアクションや、役者のリアクションなど
ときにブラックユーモアを交えた見せ方で飽きさせません。
『キャプテン・フィリップス』で海賊を演じた バーカッド・アブディがナチュラルな演技で現場の緊張を盛り上げて最高。
一発屋じゃなかったことを証明しましたね。またオスカーノミネートもあるかも。
長年追ってきたテロリストのアジトを掴み、米国の協力を得てドローン偵察を指揮するパウエル大佐を演じたヘレン・ミレン。
脚本の時点では男性が想定されていたというこの役にヘレン・ミレンを抜擢した人選の素晴らしさ。
強さと冷徹さの中に女性ならではの優しさもあってかっこいい。
ピアスに薄ピンクのマニキュアも仕事が出来れば男女平等というあえてもの演出でしょう。
「これまでで一番飾り気のない衣装だわ」と仰ったらしい迷彩ユニフォームだってお似合いですから!
アラン・リックマンも台詞の絶妙の間(ま)に上手さが光ります。
知性とユーモアがあって、シニカルだけど確固とした信念を持ち誠実な軍人を
威厳を前面に出したステレオタイプにせず、ナチュラルに演じきったリックマン先生に惜しみない拍手を送りたい。
その美声ももっともっとお聴きしたかった。
ミレンさまとリックマン先生のライン(じゃないってw)のやり取りにも萌えました~。
監督は『ツォツィ』『国家誘拐』のギャヴィン・フッド。後で知ったのだけど中佐役で出演もしています。
最後の判断をくだすまでの過程にモラルや政治的な建前等、現代の戦争の様々な側面を描いてみせるところが非常に知的でスリラーとしても面白い映画でした。