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映画ノート

【映画】ハクソー・リッジ

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ハクソー・リッジ(2016 オーストラリア・アメリ
原題:Hacksaw Ridge 
監督:メル・ギブソン
脚本:アンドリュー・ナイト/ロバート・シェンカン/ランダル・ウォレス/グレゴリー・クロスビー
出演:アンドリュー・ガーフィールドヴィンス・ヴォーンサム・ワーシントンヒューゴ・ウィーヴィングテリーサ・パーマー

【あらすじ】
逃子供時代の体験から武器を持たないことを誓ったエドモンド・ドスは、入隊後も銃を手にすることを拒否する


【感想】
第二次世界大戦中の沖縄戦で、衛生兵として戦地に立ったエドモンド・ドスの活躍を描く実話ベースの戦争映画です。
監督は『アポカリプト』以来10年ぶりにメガホンをとったメル・ギブソン

アンドリュー・ガーフィールド演じるエドモンド・ドスは子供の時の体験から、命の大切さを学ぶと同時に、人を傷つけることをしないと心に決めます。大人になり、入隊することになっても彼は信念を曲げず、敵を殺すためでなく仲間の命を救うため前線に行くと宣言。当然ひと悶着あるんですが・・

これはね、ものすごい映画体験でした。
予告でも手りゅう弾で吹っ飛ぶさまは描かれてますが、それだけではない地獄絵がこれでもかと繰り広げられる。
その長さと恐ろしさに「もう勘弁して!」となるけど、メル・ギブソンが許してくれるはずもなく、まぎれもないホラーを目の当たりにすることになりました。日本兵も米兵も国を守るために戦って、戦場では身を守るために相手を殺すしかないんだよなぁ。
戦争ものとあって会場はお年寄りでいっぱい。中にはご夫婦連れもいて彼らの心臓が止まるんじゃないかと心配したがな。退室者がいなかったのが不思議。
勿論沖縄戦が舞台なので、日本人としては辛く複雑な思いにもかられるんですが、ドスがひたすら仲間を救おうとする姿が痛快で感動してしまうんです。
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戦闘シーンにおけるギブソンの演出はひたすらリアルで、見せたくないものをオブラートで包むことを一切しない。
一方でドスの活躍はファンタジーと言いたくなるほどだけど、実話というのだから凄い。
神風以上に神がかりなドスを描くことは、進行に篤いメル・ギブソンならでは。
勿論、戦場の熾烈さもギブソン仕様。

共演者の中では、ドスの父を演じたヒューゴ・ウィーヴィングとドスの上司に当たるハウエル軍曹を演じたヴォンス・ヴォーンが印象的。特にヴォーンは前半はコメディ担当(笑)兵士を叱りつけながらのセリフがユーモラスで会場は笑いに包まれる。それでも戦場で指揮を執る様子はかっこよくて、初めていい役者だと感じたもんね。
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主演のガーフィールド君はどんな状況でも飄々としてユーモアを湛えているのがいいし、その誠実さに仲間が信頼を寄せていくのも気持ちがいい。テリーサ・パーマーとのラブストリーでもあります。
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ロープを縛る練習のシーンが見事な伏線となって後半に繋がるのも胸がすく。
メル・ギブソンは映画の面白味を知り尽くした人なんだと思う。

内容が内容だけに日本では物議をかもすかもしれないけど、IMDb8.7の好スコアは伊達じゃない。
間違いなく傑作です。公開して欲しいね。

ついでに本作も英国男優50人斬りに加えるとして、今回はアンドリュー君ふたたびと、隊のキャプテンとしてカッコよかったサム・ワーシントンの二人斬りだよ。

アンドリュー君とエマちゃんのカップルが一緒にオスカーノミネートされるといいな。

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