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映画ノート

【映画】Mr.チャーチ(原題)

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Mr.チャーチ(原題)(2016 アメリ
原題:Mr.Church
監督:ブルース・ベレスフォード
脚本:スーザン・マクマーティン
出演:エディ・マーフィーブリット・ロバートソンナターシャ・マケルホーン

【あらすじ】
母子家庭のマリーとチャーリーの家に黒人の料理人Mrチャーチがやってきた。はじめは拒否反応を示すチャーリーだったが、Mrチャーチの繰り出す料理マジックに魅せられていく・・

【感想】
脚本家スーザン・マクマーティンの実体験をもとにしたヒューマンドラマです。

エディ・マーフィ演じるMr. チャーチはある母子家庭の家に料理人として雇われた男。
マリー(ナターシャ・マケルホーン)の死んだ恋人リチャードから、6か月間マリーの面倒を見るようにと派遣されていたのでした。期間限定なのはマリーが乳がんを患い、余命6か月と宣告されていたから。
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ジャズを聴きながら軽快な包丁さばきで料理を作り上げていくエディがなんだかいい感じ。
お料理もおいしそうで、我が家にも来て欲しい
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6か月のはずのお勤めはマリーの思わぬ踏ん張りにより長らえ、Mrチャーチは一家と長期にわたり関わっていきます。
高校生になったチャーリーを演じるのは『トゥモローワールド』のブリット・ロバートソン。このチャーリーのキャラに脚本家スーザンは自身を投影したんですね。
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インタビューで「Mrチャーチがいなければ、自分の今はない」というスーザン。
後半部分がやや現実味に欠けるのは、脚本家が「そうあって欲しかった」という架空の話をつなぎ合わせたからだと知って納得。

黒人の使用人が白人一家のかけがえのない存在になるというのは監督の代表作『ドライビング・MISS・デイジー』にも通じるものがありますが、『ドライビング~』のモーガン・フリーマンに文盲という背景を付け加えていたように、本作のMrチャーチにもミステリアスな秘密があって、彼はプライバシーを頑なに守ろうとします。

その秘密に繋がる要素を伏線として描いてはいるのだけど、どこか曖昧。酔った時のセリフから大体のことは想像がつくものの、Mrチャーチの秘密を明確に描かないのは脚本家の心遣いなのかな。
映画的には、どこかでその秘密を明かしてトラウマを乗り越えるように持って行ってもよかった気もするんですが。

それでも「誰かに助けられたと思っていたら、自分もその人の助けになっていた」「誰もが誰かのかけがえのない存在」ということに素直に感動できる好きな映画でした。
ドラマを演じるエディ・マフィーもよかった。
サテライト賞で助演男優賞にノミネートされてます。
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