しまんちゅシネマ

映画ノート

ブラッド・ダイヤモンド


2006年(米) 監督:エドワード・ズウィック  原案:チャールズ・リーヴィット/C・ギャビー・ミッチェル  出演:レオナルド・ディカプリオジェニファー・コネリージャイモン・フンスー/マイケル・シー    ン /アーノルド・ヴォスルー/カギソ・クイパーズ/デヴィッド・ヘアウッド 【ストーリー】激しい内戦が続く90年代のアフリカ、シエラレオネ。家族とつましい生活を送る漁師ソロモンはある日反政府軍RUFに襲撃され、ダイヤモンド採掘場で強制労働を強いられる。そんな中、大粒のピンク・ダイヤを発見したソロモンは混乱に紛れてダイヤを秘密の場所に隠す。一方、ダイヤの密輸に手を染めるアーチャーは刑務所でソロモンが巨大ピンク・ダイヤを見つけ隠していることを耳にする。釈放後、ソロモンに家族捜しに協力する代わりにダイヤの隠し場所を明かすよう迫るアーチャー。また、アメリカ人女性ジャーナリスト、マディーに対しても、彼女が追っている武装組織の資金源“ブラッド・ダイヤモンド”の実態に関する情報をエサに、自分たちへの協力を取り付ける。3人は、ピンク・ダイヤを探す危険な道へと進んで行く。
■感想
美しく輝くダイヤモンド。
その光の影に、これだけの醜い争いがあることなど考えたこともありませんでした。

ソロモンの隠したピンク・ダイヤを巡って3人の思惑が交錯します。

主軸をなすテーマは【自由】【家族】【真実】

ダイヤの密輸に携わるアーチャー(レオナルド・ディカプリオ)。
アフリカに生れ、幼い頃から紛争の中に育った彼は、ピンク・ダイヤを手にし
いつかこの国を出たいと思っています・・・自由

ソロモン(ジャイモン・フンスー)の願いはただ一つ。混乱で引き離された家族の安全と幸福・・・家族

ジャーナリストマディー(ジェニファー・コネリー)は、ダイヤモンドの取引に関する闇の実態を世界に発信するために奔走します。・・・真実

それぞれの目的を果たすために行われる取引は常に危険と隣り合わせ。
手に汗握るスリリングな展開に引き込まれて観てしまいました。

印象に残ったのは終盤アーチャーとソロモンが互いの心を通わせていく場面。
ソロモンの「結婚はしているのか?」の問いに「いいや」と答えるアーチャー。
ソロモンには、一人で暮らすアーチャーが危険を冒してまで大金をほしがる理由が分からないのです。
「分からないよ」とソロモン。「自分も分からなくなって来た」とアーチャー。

家族が平和で毎日食べる物があればそれで十分幸せなアフリカの人々。
彼らのささやかな平和さえ奪ってしまうダイヤモンドっていったい何なんだろうと考えてしまいます。

ショッキングなシーンも満載なのですが、一番辛かったのは子供たちが銃を構えるシーン。。
ゲリラにさらわれやがて少年兵となってしまう子供たち、哀しいアフリカの現状なんですね。
ソロモンが「息子はとてもいい子だから、あの子が大きくなったらアフリカはきっといい国になる」
と言った言葉が胸にしみました。


ディカプリオとジェニファーが互いに惹かれ合っていく、その描き方もとっても好きでした。
いやー、レオに恋愛の部分でほろっとさせられるとは。。
切ないながらも爽やかさの残るラスト。。泣けました。


★★★★☆