タクシードライバー

１９７６年（米） 監督：マーティン・スコセッシ  出演：ロバート・デ・ニーロ／シビル・シェパード／ピーター・ボイル／ジョディ・フォスターアルバート・ブルックス／ハーヴェイ・カイテル【ストーリー】ベトナム帰りの青年トラヴィス・ビックルは夜のニューヨークをタクシーで流しながら、世界の不浄さに苛立ちを感じるえいた。大統領候補の選挙事務所に勤めるベッツィと親しくなるトラヴィスだったが、彼女をポルノ映画館に誘ったことで絶交されてしまう。やがて、闇ルートから銃を手に入れたトラヴィスは自己鍛錬を始めるが、そんな彼の胸中にひとつの計画が沸き上がる……。

■感想
マーティン・スコセッシ監督作。
ベトナム戦争の後遺症から不眠となり、どうせ眠れないならと、
タクシー運転手となったトラヴィス（ロバート・デ・ニーロ）。

タクシーを走らせるトラヴィスの目に映るのは荒んだニューヨーク。
浮浪者、売春婦、おかま、麻薬売人。。
この汚れた街をきれいさっぱり洗い流す雨はいつ降るのかと呟きます。

もともと仲間とも噛み合ず、どこか外れた印象のトラヴィスでしたが
一目惚れした女性にふられた頃から、得体の知れない狂気が顔をのぞかせるようになるのです。。

何が彼をここまで追い込むのか、その理由も分からないままに物語は進み、
徐々に壊れゆくトラヴィスに底知れない恐ろしさを感じます。
淡々とした中、見るものにこれだけの不安感を与えるのは、やはりデ・ニーロの凄さなんでしょうね。

汚れたものを自らの手でこの世から消し去ろうとするヒーロー。
実際にトラヴィスを崇拝し、トラヴィスになりきった人が起こした殺人事件が数件あるのだとか。
それだけ影響力の大きい作品ということでしょう。

ちょっときついシーンもありますが、終始緊張し、引き込まれる展開は名作と言われるゆえんでしょう。
トラヴィスの狂気は誰の心にも存在しそう。そんな点も多くの共感を呼ぶところかもしれません。

ラストのトラヴィスのあの鋭い眼光に、またまた不安を感じてしまうのでした。
まだ何するの～？？

１２歳の売春婦を演じたジョディ・フォスター若っ！

カンヌでグランプリを獲得してます。
ただこれ男性向けの作品かなぁ。スコセッシだしね。

★★★★☆