しまんちゅシネマ

映画ノート

黙秘


1995年(米) 監督:テイラー・ハックフォード 原作:スティーヴン・キング 出演:キャシー・ベイツジェニファー・ジェイソン・リー/ジュディ・パーフィットクリストファー・プラマー デヴィッド・ストラザーン/エリック・ボゴシアン/ジョン・C・ライリー【ストーリー】アメリカ・メイン州の小さな島にある富豪未亡人の邸。そこで郵便配達人が見たものは、血だらけで横たわる女主人の頭上に、のし棒を手に呆然と立ち尽くす家政婦ドロレスの姿だった--。無実を主張しながらも、事件の詳細には黙秘を通すドロレ日食の幻想的な映像とともに描かれ、ス。彼女には20年前、夫殺しの容疑で不起訴になった過去があった。数年ぶりに帰郷した娘セリーナにも堅く口を閉ざすドロレス。その全ての真相は、20年前の日食の日に隠されていた……。
■感想
キング原作のサスペンス映画です。

冒頭の衝撃的なシーンで一気に引き込まれます。
富豪未亡人の殺人の罪に問われたのは家政婦のドロレス(キャシー・ベイツ)。


彼女は20年前にも夫殺しで不起訴になっており、どこか荒んだ印象の女性です。

物語は過去と現在が交錯しながら、二つの事件の真相に迫ります。
過去に何が起こったのかが明らかになるにつれ、ドロレスの人間像がくっきりと浮かび上がってくるんですね。
これ、キングが最初からキャシー・ベイツをイメージして書き上げたというだけあって、彼女はもちろんはまり役。
若き日の姿と現在の姿、いくつかの時期の姿を演じるんですが、それもお見事なんですよー。

夫に蔑まれ、裏切られた女の悲哀、雇い主である富豪未亡人との関係。ふたりで共有したある秘密、娘セリーナへの思い。。
観ているうちに伏線になっていた部分もどんどん確認できて、これが楽しい。


娘役のジェニファー・ジェイソン・リー「ルーム・メイト」で強烈な印象を受けました。
本作では過去のトラウマにとらわれながらも、真相の究明に力を注ぎ、次第に母を理解していく娘を好演してます。
ウマい人なんですね。最近は「マシニスト」で観て老けたなぁと思ってしまいましたが^^>"

夫役にデヴィッド・ストラザーン
彼の出演作はあまり知らないと思っていたら、意外に観てる映画にたくさん出てました。^^>"
グッドナイト&グッドラックでダンディな男前をイメージしてましたが、こんな小汚いアル中夫を演じてたんですね。
でもどこかセクシー。やっぱり男前です。



ミステリー仕立てではあるものの、根底にあるのは母子の絆の回復。
ラストはとても清々しい感動を覚えました。
幻想的な映像も印象的でした。

久しぶりに再見して大満足の一本。

面白いですよ。お薦めです。




★★★★☆