しまんちゅシネマ

映画ノート

マイティ・ハート/愛と絆


2007年(アメリカ)監督:マイケル・ウィンターボトム製作:ブラッド・ピット出演:アンジェリーナ・ジョリー/ダン・ファターマン/アーチー・パンジャビ/ウィル・パットン【ストーリー】2002年のパキスタンで、ウォールストリート・ジャーナルの記者ダニエル・パールは、妻マリアンヌとディナーの約束をした後、パキスタンでの最後の仕事となる予定の取材に出かける。しかし、それを最後に彼との連絡は途絶えてしまう。妊娠中のマリアンヌと友人たち、地元警察やFBI捜査官が集まり、関係各所の総力をあげた捜査が開始されるが…。

アンジェリーナ・ジョリーの演技は必見!

■感想
2002年にパキスタンで取材中にテロリストに誘拐、殺害された実在のジャーナリスト、ダニエル・パールの妻マリアンヌが著した手記を映画化した社会派ドラマです。

この誘拐事件が起こったとき、CNNのインタビューに答えるマリアンヌのニュース映像を目にしたブラッド・ピットが映画にしたいと考えたそうです。その後本が出版され、感銘したブラピが権利を得て、制作者として映画化に着手。

なんと主演マリアンヌにはその頃奥様だったジェニファー・アニストンを想定していたのだとか。。
その後離婚が成立し、主人公も現在の妻アンジェリーナ・ジョリーということになったんですね~。
いやいや、びっくり。

でもね、これアンジーで本当に良かったと思います。

マリアンヌはキューバとフランス人の両親の間に生まれた女性。
フランスなまりの英語、褐色の肌、そして何よりもマリアンヌの凛とした強さを演じきるのは
ジェニファーではおそらく無理だったでしょう。ただ暗いだけの主人公になっていたかも。
実際、マリアンヌさんはこの時妊娠6ヶ月。妊婦役のアンジーは自腹wだったのかしら。



物語はダニエル・パールがアルカイダのテロ組織に誘拐されてからの30日をドキュメンタリー風に描いています。


犯人を探し出し、犯行の原因に迫ろうとするFBIと、地元警察。
テロリストたちのジャーナリストや、アメリカに対する思いなどが描かれながらストーリーが進む訳ですが、
これがちょっとややこしい。残念ながら、私にはちょっと分かりにくかったヾ(´∀`*)ノ

彼が頭をナイフで切り落とされ、残忍に殺された事は、おそらく全米の知るところ。
エンターテイメント性を重視し、サスペンスフルに仕上げようとすれば、その描写を盛り込むことも可能だったでしょう。
そうしなかったのは、あくまでマリアンヌさんの視点から、事実をありのままに伝えようとする気持ちを重視したのかも知れませんね。

途中、理解が追いつかずちょっと退屈と感じてしまいましたが、圧巻は終盤のアンジーの演技です。

夫の生存を信じ続けた彼女に、遂に辛い事実が告げられたとき。。
その慟哭の表現は凄まじいものがありました。あまりにも深い哀しみが体中から溢れ出た時、人はこういう声をあげるんだ。。  これはもう言葉になりません。

その声を耳にした人々の動きが一瞬にしてとまり、世界中のすべてが動きを失う感じ。。

カンヌでも絶賛されたというアンジーの演技に深い感銘を受ける事間違い無し!

スッピンメークにチリチリヘア。フェロモンを封印して、彼女の真の演技力が湧き出てます。


ジャーナリスト、ダニエル・パールにダン・ファターマン



11月23日からの公開です。


★★★*☆