狩人の夜
1955年(米)監督:チャールズ・ロートン出演:ロバート・ミッチャム/リリアン・ギッシュ/シェリー・ウィンタース/イヴリン・ヴァーデンピーター・グレイヴス/ジェームズ・グリーソン/ビリー・チャピン/サリー・ジェーン・ブルース【ストーリー】ある死刑囚から、銀行を襲って手に入れた1万ドルを子供たちに託した事を聴いたハリーは、出所するや福音伝道師を装って未亡人と子供たちの住む町へ向かう。そして言葉巧みに未亡人に取り入り、結婚してしまう。彼の凶暴な正体を知り、母までも殺された幼い兄妹はふたりだけで逃亡を企てる。小舟に乗って川を下る兄妹はやがて身寄りのない子供たちの面倒を見ているクーパー夫人の家にたどり着くが、そこにもハリーは迫っていた……。
ハロウィンホラー企画第7弾 暗闇に迫り来る静かな恐怖!悪夢の童話「狩人の夜」
■感想「ハロウィンに観たい映画は?」の第11位にランクインした作品です。
うーーん、これまたカルトな一作でした。
これはいわゆる、モンスターなどが登場するホラーではなく、一般的なカテゴリーとしてはサスペンスですね。
どんな風に怖いんだろうと楽しみにしてみたんですが、そんなに怖い作品ではありませんでした。
これはいわゆる、モンスターなどが登場するホラーではなく、一般的なカテゴリーとしてはサスペンスですね。
どんな風に怖いんだろうと楽しみにしてみたんですが、そんなに怖い作品ではありませんでした。
怖さのかわりに感じるのはその映像の美しさです。
雰囲気でいうと「月の砂漠」のイメージでしょうか。
雰囲気でいうと「月の砂漠」のイメージでしょうか。
夜道、ロバにまたがり、伝道歌を歌いながら子供たちを探し追い続ける主人公ハリー。
月夜に浮かび上がるその姿は不気味でもありながら、なぜかとても美しく、
まるで一枚の影絵を見ているような気分になりました。
月夜に浮かび上がるその姿は不気味でもありながら、なぜかとても美しく、
まるで一枚の影絵を見ているような気分になりました。
家の中のシーンも影を巧みに使って、迫り来る恐怖を子供の視点で表現しているんですが
一度見てしまったら、そのイメージがしばらく頭にこびりつきそう。
ストーリー説明のところにあった“悪夢の童話”という表現がピッタリです。
一度見てしまったら、そのイメージがしばらく頭にこびりつきそう。
ストーリー説明のところにあった“悪夢の童話”という表現がピッタリです。
主演のハリーを演じたロバート・ミッチャムは「デッドマン」でディッキンソンをやってた人なんですね。
本作では、左の指にHATE、右の指にLOVEの文字を刺青し、両手の指を絡ませて愛と憎しみの関係について云々する偽伝道師。
爬虫類系の精気の無い顔で、残忍な主人公を不気味に演じていました。
爬虫類系の精気の無い顔で、残忍な主人公を不気味に演じていました。
両親を亡くしながら、必死の逃亡をしなければならない幼い兄妹が痛々しくてたまらなかったのですが、
ラストは家族的な温かさを感じる終わり方でホッとしました。
ラストは家族的な温かさを感じる終わり方でホッとしました。
それもこの作品の人気の一因かもしれませんね。
監督は「情婦」などの名優チャールズ・ロートン。この作品は彼が生涯で唯一監督を手がけた作品だそうです。
優れた俳優でありながら、監督のセンスも持ち合わせた人に違いないのに、なぜ2作目を撮らなかったのでしょうね。
優れた俳優でありながら、監督のセンスも持ち合わせた人に違いないのに、なぜ2作目を撮らなかったのでしょうね。
映像の美しさと静かな恐怖の絶妙なコラボを存分にお楽しみください。
★★★★☆