ミラーズ・クロッシング
1990年(米)監督:ジョエル・コーエン 製作:イーサン・コーエン脚本:イーサン・コーエン/ジョエル・コーエン出演:ガブリエル・バーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/アルバート・フィニー/ジョン・タートゥーロジョン・ポリト/J・E・フリーマン/マイク・スター/スティーヴ・ブシェミ/フランシス・マクドーマンド【ストーリー】1929年、アメリカ東部の町。アイリッシュのレオとイタリアンのキャスパー、二つの勢力が暗黒街でシノギを削っていた。レオとその片腕で博打好きのトムは厚い友情で結ばれていた。同じくレオの部下バーニーの姉、高級クラブで働くヴァーナはレオの情婦だったが、トムにも魅かれ一夜を共にする。やがてその事実がばれ、トムはレオと袂を分かつ。博打の借金に追われるトムはキャスパーの下で働くことになるが、受けた命令はバーニーを殺せ、というものだった……。■感想
コーエン兄弟が描くギャングものって、なんだかピンと来ないなぁと思いながら観始めたんですが、
これが、意外にも「らしい」1本でありました。
アメリカ東部で、アイリッシュ系、イタリア系の二つのギャングが勢力争いをしていた禁酒法の時代の話し。
アイリッシュギャングのボス、レオ(アルバート・フィニー)のブレインであった、インテリ系やくざのトムは
レオの女に手を出したことで、レオの元を離れ、敵対するイタリアマフィアに寝返ることに。
忠誠を示す最初の仕事は、恋人の弟バーニー(ジョン・タートゥーロ)の始末。。
アイリッシュギャングのボス、レオ(アルバート・フィニー)のブレインであった、インテリ系やくざのトムは
レオの女に手を出したことで、レオの元を離れ、敵対するイタリアマフィアに寝返ることに。
忠誠を示す最初の仕事は、恋人の弟バーニー(ジョン・タートゥーロ)の始末。。
ものすごいシリアスなシーンにも、どこか笑いを持ってくるのがいいです。
本作のタイトルとなっているミラーズ・クロッシングは劇中バーニーを殺す場として選ばれた森の奥の十字路のことでした。
落ち葉の重なるこの場所が、タイトルロールにも映し出され、最後もこの場でエンドロールを迎えることに。
男たちの様々な哀愁が集結する場というイメージで、この映像がクールです。
男たちの様々な哀愁が集結する場というイメージで、この映像がクールです。
また、小物として重要な役割を果たすのが帽子。
冒頭、森の中で風に舞い上げられクルクルと飛んでいくところから始まり、
男の威厳やアイデンティティを示す場面では必ず登場しています。
トムなんか、大慌てで部屋を飛び出す場面では、下着姿であっても、帽子を被ることは忘れないし(笑)
ラストシーンで、帽子を深く被り直すシーンも印象的でした。
冒頭、森の中で風に舞い上げられクルクルと飛んでいくところから始まり、
男の威厳やアイデンティティを示す場面では必ず登場しています。
トムなんか、大慌てで部屋を飛び出す場面では、下着姿であっても、帽子を被ることは忘れないし(笑)
ラストシーンで、帽子を深く被り直すシーンも印象的でした。
コーエンもののお約束のタトゥーロ、ブシェミも登場します。タトゥーロの命乞いのシーンは見物。
ブシェミは相変わらず気の毒な最後ですね。
今回はボスを演じたアルバート・フィニーの男気に惚れ惚れしました。
彼が大音響のオペラの曲が流れる中、機関銃をぶっ放すシーンには鳥肌もの。
ブシェミは相変わらず気の毒な最後ですね。
今回はボスを演じたアルバート・フィニーの男気に惚れ惚れしました。
彼が大音響のオペラの曲が流れる中、機関銃をぶっ放すシーンには鳥肌もの。
コーエン流の美学を感じる、クールな映画でした。満足です。
★★★★☆