しまんちゅシネマ

映画ノート

アメリカン・ギャングスター


オスカー特集13日目。 助演女優賞候補 ルビー・ディー!


あちこち飛んでますが、今日はまたまた助演女優賞に戻ってみました。
助演女優賞ケイト・ブランシェットエイミー・ライアンが有力かなぁと思っていたのですが、
先日のアメリカ映画俳優組合(SAG)賞では「アメリカン・ギャングスター」でフランク(デンゼル・ワシントン)のママを演じたルビー・ディーが受賞しました。誰も決定的というワケではないのですよね。激戦区です。


2007年(米)監督:リドリー・スコット出演:デンゼル・ワシントンラッセル・クロウキウェテル・イジョフォーキューバ・グッディング・Jrジョシュ・ブローリンテッド・レヴィンアーマンド・アサンテジョン・オーティスジョン・ホークスカーラ・グギーノ/RZA/ルビー・ディー【ストーリー】1968 年、ニューヨーク。黒人ギャングのボス、バンピーの右腕として仕えてきたフランク・ルーカス。彼はバンピー亡き後、ボスの座を引き継ぎ、自らの帝国を築き上げようと決意。そして、東南アジアから純度100パーセントのヘロインを直接仕入れる独自ルートを開拓し、それらを“ブルー・マジック”のブランド名で市場へ売りさばくことに成功したことから、フランクは瞬く間に麻薬王として君臨していく。一方、ニュージャージーの警察に所属する刑事リッチー・ロバーツ。彼は、警官の汚職がまかり通っていたこの時代に潔癖な仕事を貫いていたため、周囲から疎まれ孤立していた。また私生活では元妻と養育権で係争する傍ら、司法の道を目指している。そんな彼はある時、検察官からエセックス郡麻薬捜査班のチーフに抜擢される。やがて大衆に蔓延するブルー・マジックの捜査を進めるうち、フランクの存在に辿り着くリッチーだが…。
■感想
昨日に引き続きギャングものになりました。

デンゼル・ワシントンラッセル・クロウ、二人のオスカー俳優共演ということで楽しみに観ました。

これ実話だったんですね。
デンゼル・ワシントンが演じるのは、70年代ニューヨークを舞台に台頭した黒人ギャングのボス、フランク・ルーカス。
ルーカスは15年間、前任のボス、バンピーに運転手兼ブレ―ンとして仕えた経験から、ギャング道のすべてを見て学んでいました。バンピー亡き後、自らボスになり、頭脳と行動力を活かして、麻薬ビジネスに成功。
警察もイタリア系のマフィアはマークするものの、黒人のギャングが麻薬流通の大元になっているなんて思いもよらなかったという時代です。

麻薬調査に乗り出す刑事、リッチー・ロバーツを演じるのがラッセル・クロウ
誠実さを武器に、確実に執拗に捜査を進める男です。

リッチーが麻薬流通の大元がフランクであることを割り出していく様子は見応えがありました。

金に執着するフランクと不正を真っ向から嫌うリッチー。二人は全てに対照的に描かれてましたね。

麻薬取引を開始する頃のフランクはキリリとした品格があり、クールなやつだったのに
少しずつ変わっていく様子は成金のなりの果てのようで、寂しさも感じます。
頂点に立ち、守るものが大きくなってくると、猜疑心が強くなってしまうんですね。
演技デンゼル・ワシントンはフランクの変化と葛藤を本当に上手く演じてます。

この作品が事実ということで驚くのは、警察の不正と、麻薬取引に軍までが関わっていたということ。
不正を嫌うリッチーが、押収した金に手を付けないということで、警察仲間から総スカンを喰らうわけですから、全くこの時代の警察はどうなっとんじゃという感じですね~。まぁ、今もそんな風でもおかしくないですが^^;

ラストはすっきりするような、しないような。
ギャング一味の壊滅をはかるのと同じくらい、警察の不正を暴くことが大事な時代だったんでしょうね。

えっと、フランクのお母さんを演じたルビー・ディーさん。
息子をひたむきに愛する母であり、フランクにとっては、まったく頭の上がらない存在として、なかなかの存在感を見せてくれましたが、助演女優賞、というほどでもなかった気がするんですが、、どうでしょう。

クールな映像と、タイのヘロイン畑などの自然の美しい映像の対比も良かったですね。


★★★★☆