しまんちゅシネマ

映画ノート

プッシャー



あまり意味はないんですが、今月は北欧の映画をいくつか観ていこうと思います。
まずは、『ドライヴ』のヒットのためか、ハリウッド版リメイクが作られたことを祝ってか
デンマークの俊英ニコラス・ウィンディング・レフン監督のデビュー作が日本公開になるとのことで、観てみることにしました。




プッシャー(1997)アメリ
原題:Pusher
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:キム・ボドゥニア、マッツ・ミケルセン、ローラ・ドライスベイク、ラウラ・ドラスベァク


デンマークコペンハーゲンで麻薬ディーラーとして生きる男の転落の人生を描く作品です。

麻薬ディーラーの主人公のフランクを演じるのはキム・ボドゥニア相棒のトニー(マッツ・ミケルセン)と与太話をしながら、ディーラー稼業に精を出すフランクをレフン監督はドキュメンタリーとも思える客観的とも思える淡々とした映像で映し出します。
ところが、根の優しさが災いしてジャンキー相手に取立てにてこずり、ボスに返金できなくなるあたりからヤバい空気が漂いはじめる。
窮地に立たされたフランクが堕ちるところまで堕ちるのを、息を呑んで見守ることになりました。

マッツ・ミケルセンは一瞬所ジョージかと思ったけどw
後姿はこんな、いかれたチンピラでした。


一見地味ではあるものの、ヤクザもんの転落の方程式を展開しながら、
緊張感と刹那感が加速する作り。
そこここに潜むバイオレンスも直接的に見せないのが余計に怖さを煽ったりしてね。裏社会のボスが、料理好きだったりして、一見優しそうなところが逆に怖かったりかすかに漂うユーモアとヴァイオレンスのバランスも面白い。
レフン監督は、これがデビュー作というのはやっぱり凄いわ。