しまんちゅシネマ

映画ノート

オンリー・ゴッド




「復讐を描く映画」シリーズ、今日は来年の1月に日本公開が決まった『オンリー・ゴッド
ニコラス・ウィンディング・レフン監督・脚本、 ライアン・ゴズリング出演によるクライム・スリラーです。
オンリー・ゴッド(2013)デンマーク・フランス
原題:Only God Forgives
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、 クリスティン・スコット・トーマス、 ヴィタヤ・パンスリンガム
日本公開:2014/1/25
訳あってアメリカを追われたジュリアン(ライアン・ゴズリング)は、バンコクでボクシング・クラブを経営しているが、裏では麻薬の密売に関わっていた。ある日、兄のビリーが殺され、犯罪組織の長である母、クリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)はジュリアンに復讐を命じる。

これヘンテコな映画だった~w

息子ビリーを殺されたマフィアの女ドンのクリスタルが、復讐を果しにタイにやってくる。
ビリー殺しに元警察が絡んでいたことから、矛先を変えた復讐劇が始まる・・
はずなんですが、この警察が思いのほか強く、映画は予想外の方向へ走り出します。


ドライヴ』コンビ再び!ですから、
私なんかは当然ゴズリングに「ドライバー」のキャラをかぶせるわけですよ。
実際寡黙なジュリアンは繊細ながら危険ななにかを孕んでそうで
どんな惨劇が起きるのやらと、ドキドキしながら観るのだけど
なんか途中から様子が違ってくる。

「ん?」
「あれ?」
「はぁ~??」みたいなw




レフン監督らしいサディスティックなヴァイオレンスは健在です。
しかし今回それを実践するのが元警察のおっさん!
まず、タイの警察はどうなってるんだと目がテンになりますよ(笑)
しかもおっさん、何故か途中途中まじめにカラオケを歌うんです(爆)
シュールですがな。





お洒落でイケイケな大阪のオバハン風のクリスティン・スコット・トーマス
ビッチな迫力も可笑しく、彼女の演技の幅には感服。

ゴズリングに関しては、敢えて言及しないことにしますが
終わってみれば、マザコン男のレクイエムと云ったところか。
ノアール風ではあるものの、ジャンルでいうとコメディなのかな?(笑)
シン・シティ』に似た妙な可笑しさがあるんだよねぇ。
監督は日本通なのかな(笑)

デンマーク映画だけあって、全編暗めの画面に
血を思わせる赤い照明、それにブルーのモビール越しの映像がスタイリッシュ。
しかし台詞も少なくスローな展開ゆえ、気合を入れないと睡魔に襲われるかもしれません。

万人にはお勧めできないけど、虚無感にそこはかとない可笑しさが趣となって
嫌いじゃなかったです。