しまんちゅシネマ

映画ノート

ラスト、コーション


2007年(中国/アメリカ)監督:アン・リー出演:トニー・レオンタン・ウェイワン・リーホンジョアン・チェン/トゥオ・ツォンホァ/チュウ・チーインチン・ガーロウツァオ/クー・ユールン/ガオ・インシュアン【ストーリー】1942年、日本軍占領下の上海。ごく普通の女子大生チアチーは、抗日運動に心血を注ぐクァンに秘かな恋心を抱き、彼と行動を共にする中で次第に感化されていく。やがてチアチーは、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺を遂行する危険な任務を与えられる。さっそく身分を偽りイー夫人に接近し、冷徹で異常なほど用心深いイーを誘惑する機会を窺うチアチーだったが…。
■感想
アン・リーって人は、禁断の愛を描かせたら右に出るものはいないんじゃないかと思ってしまう。

ブロークバック・マウンテン」では男と男。
そして本作では暗殺を企む女スパイと、暗殺される側の男。

友人に感化され、抗日的な演劇で国民を鼓舞する、小さな活動家だった女子大生チアチー(タン・ウェイ)は
やがて本格的なスパイ組織に関わるようになり、任務を与えられることになります。

チアチーに課せられたミッションは日本の傀儡政府に協力する機関のリーダー、イー(トニー・レオン)の暗殺。
色香を武器に、暗殺目的でイーに近づき、機会を狙うチアチーでしたが、いつしかイーに惹かれていき‥。

よくあるパターンのようですが、常に命の危険に身をさらすもの同士のギリギリの心理戦が
ドラマを見応えのあるものにしています。



トニー・レオン演じるイー。誰も信じられないし信じない、その孤独で淋しげな眼差しがタマラン!

本作では二人のラブシーンが話題になりましたね。
激しく身体を重ね合い、求め合う、その瞬間こそがリアルであり、信じられるものなんでしょう。
確かに激しいし、修正もない映像だったけれど、不思議とエロさは感じませんでした。
ことを終えたイーの、チアチーに向ける優しい微笑みと髪を撫でる仕草。。
二人の刹那感が、もう~、タマラン!

オーディションで選ばれたというタン・ウェイ。新人とは思えない存在感でしたね。
清純な顔を見せたかと思えば、男を翻弄する色香を放つ大人の顔まで、様々に変化する表情に目が離せません。
任務の遂行と愛との間で揺れ動く女心を見事に演じきりました。


ラスト‥うわわわ。。
 切なかったし、久々に胸キュンです。
サスペンスとしても、究極の恋愛ドラマとしても見応え十分。アン・リー監督お見事!



★★★★*