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映画ノート

ブレードランナー ファイナルカット


2007年(米)監督:リドリー・スコット原作:フィリップ・K・ディック出演:ハリソン・フォードルトガー・ハウアーショーン・ヤングエドワード・ジェームズ・オルモスダリル・ハンナブライオン・ジェームズジョアンナ・キャシディ/M・エメット・ウォルシュ ウィリアム・サンダーソン/ジョセフ・ターケル【ストーリー】2019年。この頃、地球人は宇宙へ進出し、残された人々は高層ビルの林立する都市に住んでいた。植民惑星から人造人間=レプリカントが脱走した。彼らの捕獲を依頼された“ブレードランナーデッカードは、地球に潜入したレプリカントたちを追うが…。

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今日は★5つと評価された「ブレードランナー ファイナルカット」です。
これは82年に製作された「ブレードランナー」の25周年を記念して、監督のリドリー・スコット自らが新たに再編集したバージョンだそうです。
近未来を舞台にしたSFサスペンスである本作は、これまでにインターナショナル・バージョンやディレクターズ・カットなどが存在し、カルト的人気を誇っているのだとか。

近未来、環境汚染の進んだ地球を離れ、宇宙に移り住むようになった人間たちは、宇宙開発を進めるための労働力として優れた身体能力を持つ人造人間=レプリカントを開発。
見た目は人間にそっくりでも、レプリカントに感情は与えられない。ところが数年経てば、彼らにも感情が芽生え始め、あるものは人間に抵抗を始める。そんなレプリカントを探し出し抹殺するのがブレードランナーの仕事なんですね。

ブレードランナーデッカードを演じるハリソン・フォードは地球に潜入した4人のレプリカントを追います。
レプリカントのリーダー的存在ロイを演じるのがルトガー・ハウアー!!
ヒッチャー」の彼や~ん^^; ここでもその怖さは健在!
本作では限りある命におびえながら生きるレプリカントの哀しみを表現し、
そのカリスマ性のある演技で完全に主役のハリソン君を食っちゃってますね。遠吠えが怖いわ。。

新しいタイプのレプリカントは、自分がレプリカントであることも知らないのです。
で、少々ネタバレとなるかもしれませんが、ファンの間では、これまでにハリソン演じるデッカードレプリカントか?!
ということが議論されていたようです。バージョンによっては、それが明らかにされておらず、ハリソン君自身も意識せずに演じたようですよ。

他のバージョンは未見なので違いについては述べられませんが、原作の『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』にあるように「夢」が鍵になり、ラストシーンからもある結論に達する作りでした。

とにかく映像が美しい!
人間が置き去りにした地球の多国籍で退廃的な映像と近未来的な映像が混在するのも魅力的で、
変かもしれないけど先日観た「マイ・ブルーベリー・ナイツ」に共通する切なさと心地よさを感じました。

画質や映像技術を少し修正して、今回のファイナルカットとなったのでしょうけど、
25年前にこれだけのものを世に送り出したことにも驚きです。リドリー・スコット恐るべし!

共演にショーン・ヤングダリル・ハンナ。それぞれのロマンスもちょっと切ない。



静寂感溢れる映像と音、人造人間の悲哀、近未来の刹那感。。
自分でSFは苦手と思っていたのに、、好きな作品でした。


★★★★☆