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映画ノート

ミラクル7号


2007年(香港)監督・製作・脚本:チャウ・シンチー出演:チャウ・シンチー/シュー・チャオ/キティ・チャン/リー・ションチン/フォン・ミンハン/ホアン・レイヤオ・ウェンシュエ/ハン・ヨンホア/ラム・ジーチョン【ストーリー】母親を早くに亡くし、父ティーと2人暮らしの小学生ディッキー。超が付くほど貧乏にもかかわらず、“息子には最高の教育を”と願うティーは無理をしてディッキーを名門小学校に通わせていた。しかし、お金持ちの子どもばかりが通う学校では、貧乏なディッキーは当然のようにイジメの対象に。そんなある日、ガキ大将のジョニーが学校に持ってきた最新のペット型ロボット“ミラクル1号”が無性に欲しくなったディッキーは、ダダをこねてティーと衝突してしまう。その夜、ティーはゴミの山で偶然見つけた緑色の物体をディッキーのオモチャにと持ち帰る。やがて、それはつぶらな瞳を持った四本足の不思議な生物に大変身。すっかり大喜びのディッキーはそれを“ミラクル7号”こと“ナナちゃん”と名付けると、学校で自慢するべく意気揚々と登校するのだったが…。
■感想
チャウ・シンチーの監督作ということで、「少林サッカー」や「カンフー・ハッスル」のノリを想像してたら、全く違った。
これはいい意味で予想外の作品でしたね。

チャウ・シンチー演じるティーは超がつくほど貧乏。
それでも小学生の一人息子ディッキーに最高の教育を受けさせるために、かなり無理して名門小学校に通わせてるんですね。
お金がないので、ディッキーの靴も扇風機もゴミ捨て場から、まだ使えそうなものを拾って来る暮らし。。

そんなある日、いつものようにゴミ捨て場でディッキーの運動靴を探していたティーは、緑色のボール状の物体を発見。
ディッキーの玩具として持ち帰ったその物体、何故か足がはえ、お顔が出来てナナちゃんに変身しちゃうんですが、
噂に違わずこれが可愛い~。
ナナちゃんのぬいぐるみや携帯ストラップが欲しいって方多いようでしたが、今ならネットで手に入るようですよ(笑)



ナナちゃんも確かに可愛いけど、とにかくこの作品の魅力はディッキーとチャウ・シンチー親子の生き方。
貧しくったって正直に、心の美しい人間たれとディッキーに言い聞かせる父。
今時の日本では、誰も気恥ずかしくて言葉に出せないような道徳的なことを全く嫌味なく打ち出してくるんです。
それが説教臭いと思う人もいるだろうけど、私はすっきりと気持ちよく観れたんですよね。

ディッキーを演じたのは実は女の子らしいのだけど、この子もとびきり純朴で可愛いくて‥。
それだけに、中盤の展開にはビックリしちゃってね。この映画でこんなに泣かされるとは‥。

本作では、期待のアクションシーンはないに等しいものの、工場現場でのシーンはチャウ・シンチーならではの迫力かな。
あ、あと壁を走るゴ○を‥のシーンに彼の足技を見ることが出来ます(笑)。
実際このシーンが大好きで大ウケだったんだけど、ゴ○はCGだよね。。? ^^;
朝○龍似の巨大な小学生の女の子などにも笑えます。

ともあれ、チャウ・シンチーってきっと心の美しい人なんだろうな。
彼の魅力を新たに感じ、とてもいい気分で見終えた作品でした。





★★★★☆