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映画ノート

【映画】チャウ・シンチー新作『西遊記~はじまりのはじまり~』三蔵法師は妖怪ハンターだった!




感謝祭特集中休みで、今日はチャウ・シンチー監督新作を観てみました!
西遊記~はじまりのはじまり~(2013)中国
原題:西遊 降魔篇 /Journey to The West
監督:チャウ・シンチー
出演:ウェン・ジャン/ スー・チー/ ホアン・ボー/ショウ・ルオ/クリッシー・チョウ/シン・ユー/ リー・ションチン/ チウ・チーリン
日本公開:2014/11/21

昔昔、テレビで『西遊記』やってましたよね。
三蔵法師夏目雅子さんが麗しく演じていたのを覚えてますが、そもそも『西遊記』というのは、唐の時代に玄奘三蔵が天竺(インド)へお経を取りに行ったという実話をモチーフに、旅のお供孫悟空猪八戒らとともに繰り広げられるアドベンチャーに仕立てたフィクションとのこと。

本作は、三蔵法師はしがない妖怪ハンターだった!という大胆な設定で
孫悟空猪八戒らとの出会いと、天竺への旅の始まりまでを描く、まさに西遊記ビギニングなお話。
チャウ・シンチーらしいダイナミックなアクションとお馬鹿が融合した、奇想天外なエンタメ作品になっております。




主人公は石坂さんの金田一耕助風、新米妖怪ハンター玄奘ウェン・ジャン)。
玄奘が他の妖怪ハンターと違うのは、お金よりも人助けをしたいという高尚な心を持っているところ。
「300わらべ唄」wを教科書に、妖怪たちの悪の心を取り除くことを目標に頑張るわけですが
何分経験も浅く、失敗続きで落ち込む日々。
その玄奘の前に現れ、鮮やかに妖怪を退治するのが、スー・チー演じる美しき妖怪ハンター段。
二人はともに力を合わせ妖怪をしとめていくのですが、手ごわい大物を倒すために、
山に封印された孫悟空の助けを借りることになる・・という話。

勿論創作ではあるけれど、猪八戒沙悟浄孫悟空の元の姿はこうだったんだとか
坊主頭の起源はそれ?とかw斬新な設定が楽しいですね。
妖怪たちそれぞれの悲しい背景が語られるのもいい。
しかし何より秀逸なのはアクションで、アクロバティカルに見せる冒頭のシーンから面白すぎ!
まるでジャッキー・チェンの香港映画を見てるような興奮を覚えました。
チャウ・シンチーのこれまでの作品の中でも一味違うクオリティ。
中国や香港のアクション映画が凄いのは、役者の運動能力の高さにもあるよね。
全員中国雑技団出身かと思うアクションは、CGだけでは作れないもの。


映画の半ばまでは、コメディ、アクション、ホラー交じりの映像など本当に見ごたえあって
これは傑作~とワクワクしながら見たんですが、中盤以降がちょっと失速しちゃうのが残念。
CGが増え、映像がスペクタクルになるにしたがって、なんか気持ちが冷めちゃうのは私だけかな。
孫悟空がいまいち魅力に欠けていたのも原因かも。

それでも、ちょっとしたロマンスが切なかったり、玄奘の心の美しさが心地よかったりで
面白い映画には違いない。
妖怪をボコったり踊ったり、恋までしちゃうスー・チーが可愛かったなぁ。




最後はGメン?に いきなり30年前に引き戻されたようで笑ってしまった(笑)

最後まで見たあと再見したんですが・・
オープニングクレジットで孫悟空の頭に使われてる金のワッカが出てきたところで泣きそうになった。
ちなみにチャウ・シンチーは今回出演してません。
お姿見たかったなぁってことでメイキング動画貼っておきます。