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映画ノート

ソフィーの選択


1982年(米)監督・製作・脚本:アラン・J・パクラ出演:メリル・ストリープケヴィン・クラインピーター・マクニコル/リタ・カリン/スティーヴン・D・ニューマンジョシュ・モステル/ジョセフ・ソマー/グレタ・ターケン/ロビン・バートレット/ジョン・ロスマン【ストーリー】かけだし作家のスティンゴが、ソフィーという女性と知り合う。彼女には誰にも語ることの出来ない哀しい過去があった。それは、彼女の人生を大きく左右する第一の選択であった……。

80年代プチ祭り 第10弾! メリル・ストリープの演技に圧倒される‥「ソフィーの選択

■感想
ウィリアム・スタイロンの長編小説を映画化した作品です。

ブルックリンで、ネイサン(ケヴィン・クライン)という奔放な男と暮らすソフィー(メリル・ストリープ)。

ソフィーとネイサンのアパートの階下に越して来た、作家志望の青年スティンゴ(ピーター・マクニコル)は
美しく影のあるソフィーに惹かれていきます。
やがて知ることになるのは、ソフィーの哀しい過去。




3人の男女の織りなす恋愛模様を描きながら、この物語りの中核はナチスユダヤ人収容所に端を発するソフィーの悲劇。

心の隙間を埋め合うように、刹那的な愛に生きるネイサンとソフィー。
未来に夢をもつスティンゴがいくら手を伸ばしても届かない。
スティンゴとは同じ世界に存在していなかったのでしょうね。ソフィーの最後の選択が哀しかったです。

ソフィーを演じたメリルの熱演にあらためて彼女の力を感じました。
ポーランド訛りの英語も、ネイサンに出あった当時と、今とでは随分と訛りの程度が違うという芸の細かさ。
過去を物語る映像の中では、ドイツ語も覚えて喋ってるんですよね。凄すぎ。

哀しみを内に秘めながらも、精一杯の笑顔で生きる今のソフィーと、アウシュビッツ時代の頬のコケたソフィーを演じ分けるその演技力にも脱帽です。オスカー受賞も納得ですね。

これまで悲惨な映像で描かれるホロコーストものをいくつか観て来ましたが、本作ではそういった描写は殆どありません。
にも関わらず、過去から逃れることが出来ないソフィーの哀しみを通し、ホロコーストがいかに人の心に闇を植え付けたかを思い知らされました。

重いけれど、観応えのある作品でした。



★★★★☆




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80年代プチ祭り、レビュー10本目のキリのいいところで終了するつもりでしたが、訪問者数80,000まで頑張ることにします。
何となく80年代祭りを締めくくるのに良い数字なので^^
残り約500。新しい映画も恋しくなってきたので、今月いっぱい(時差あり)くらいで終了出来ればいいのだけど‥(笑)