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映画ノート

悪魔のような女


1955年(フランス)監督・脚本:アンリ=ジョルジュ・クルーゾー出演:シモーヌ・シニョレ/ヴェラ・クルーゾー/ポール・ムーリス/シャルル・ヴァネル/ジャン・ブロシャール【ストーリー】パリ近郊の寄宿学校。校長のミシェルは妻クリスティナの莫大な財産の上に今の地位を築いていたが、その横暴ぶりにクリスティナの心労は極みに達していた。ミシェルの愛人でもある女教師ニコルは彼女に同情し、二人して彼の殺害を企む。クリスティナとニコルはミシェルに薬入りの酒を飲ませバスタブで溺死させる。死体を学校のプールの底に沈め、誰かに発見されるのを待つものの、なかなかその状況が生まれない。やむなく理由をつけてプールの栓を抜くことを命じるクリスティナだったが、そこにはあるはずの死体がなかった。

ハロウィンホラー祭り 第10弾! 今日は大トリ『悪魔のような女』!!

■感想
いや~、アンチホラーファンの皆さん、大変お待たせしました。ついに祭り最終日となりました(笑)

最後に何を観ようかと迷ったあげく、先日のエクソシストのフンドーキン監督‥もとい、フリードキン監督も震えあがらせたホラー13本にも選ばれた本作をチョイス。

物語は、冒頭から夫の愛人と共謀して夫(ポール・ムーリス)の殺人計画を実行しようという段階。早ッ!
夫の愛人であり、夫の経営する寄宿者学校の教師でもあるミシェル(ヴェラ・クルーゾー)と夫を殺害し、
バスタブで溺死した夫を学校のプールに沈め、不慮の事故に見せかけようという計画。
ところが死体はプールから消えていた!!



狼狽する二人。そしてその周囲で起こる不可思議な事柄の真相は?

心臓の弱い妻クリスティン(シモーヌ・シニョレ)とともに、次々に起こる不可思議におののきながらも、
何故?と推理しながら観る事になります。

ただ、私はシャロン・ストーンイザベル・アジャーニのリメイク版を観てたんですよ。随分忘れてはいましたが。。
それで結末的に読めてしまい、純粋に謎解きを楽しめなかったのは実に残念でした。

で、リメイク版の印象から、この作品がホラーとカテゴライズされてることを不思議に思ってたんですけどね、、
いや~、このオリジナル、確かに怖かった!!!
何が怖いって、まず死に顔!!(笑) これがホラーでね~。
思わず、「怖いワっ!!」って言ってましたよ^^;

いやいや、勿論それだけではありません。
退職刑事の老私立探偵が夫の捜索に乗り出すところから、妻の罪の意識と怯えがピークになっていくさまもスリリング。

様々に張られた伏線が、後半実に上手く生きてくる。構成に一切無駄がなくお見事です。
最後の最後にまで、背筋ゾゾっのエピソードを仕込んでますから~。拍手!^^;

監督・脚本は『恐怖の報酬』のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー

これはぜひ、リメイク版を観る前ご覧になっていただきたいですね。秀作です。


★★★★☆

今回塗りつぶしたのはこちら(✿で表示)。残りはまた来年ね~♪

タイム誌選出 ホラー映画トップ25

■『ショーン・オブ・ザ・デッド』<未>(2004) エドガー・ライト
■『レッド・ドラゴン』(2002)  ブレット・ラトナー
✿『オーディション』(2000) 三池崇史
□『ブレインデッド』(1992) ピーター・ジャクソン 
□『黒い太陽七三一/戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌』(1988)  ムー・トンフェイ
■『ザ・フライ』(1986) デヴィッド・クローネンバーグ
■『エイリアン』(1979) リドリー・スコット
■『ハロウィン』(1978) ジョン・カーペンター
■『キャリー』(1976) ブライアン・デ・パルマ 
■『ジョーズ』(1975) スティーヴン・スピルバーグ
✿『悪魔のいけにえ』(1974) トビー・フーパー
■『エクソシスト』(1973) ウィリアム・フリードキン
■『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/ゾンビの誕生』<未>(1968) ジョージ・A・ロメロ
□『血の祝祭日』<未>(1963)  ハーシェル・ゴードン・ルイス
□『血ぬられた墓標』(1960)  マリオ・バーヴァ
■『サイコ』(1960) アルフレッド・ヒッチコック
✿『血を吸うカメラ』(1960) マイケル・パウエル
■『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』<未>(1956) ドン・シーゲル
✿『悪魔のような女』(1955) アンリ=ジョルジュ・クルーゾー
□『バンビ』(1942) デヴィッド・D・ハンド
□『怪物團』(1932) トッド・ブラウニング
□『フランケンシュタイン』(1931) ジェームズ・ホエール
□『オペラの怪人』(1925) ルパート・ジュリアン
□『吸血鬼ノスフェラトゥ』<未>(1922) F・W・ムルナウ
□『Arrival of a Train at La Ciotat』(1896)  Lumiere兄弟