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映画ノート

シャロウ・グレイブ


1995年(イギリス)監督:ダニー・ボイル出演:ユアン・マクレガー/ケリー・フォックス/クリストファー・エクルストン/キース・アレンケン・スコット/ドリン・マクレディ/ジョン・ホッジ【ストーリー】 グラスゴー瀟洒なフラットで共同生活を送る記者のアレックス、会計士のデヴィッド、医者のジュリエット。三人は募集していた4人目のルームメイトを自称作家のヒューゴに決めるが、入居してほどなく彼は自室で死んでしまう。そこには麻薬とスーツケースいっぱいに詰まった大金があった。彼らはヒューゴの死体を森に埋めて大金を手に入れるが、死体の始末を担当したデヴィッドは日増しに病的になり、スーツケースと一緒に屋根裏に立て籠もるようになる。一方、ヒューゴの金を追いかけていた組織の殺し屋二人組はついに三人のフラットにたどり着いた……。

さりげにイギリス特集中。。

■感想
今やイギリスを代表する監督の一人となったダニー・ボイル
間もなくこちらでも公開になる『スラムドッグ・ミリオネア(原題)』が、オスカー候補の筆頭にもあげられてますね。

さて、こちらは共同生活を送る3人の男女が、思わぬことで大金を手にすることになり、
犯罪に手を染めていく様子をスリリングに描いた、ダニー・ボイル初期の作品です。

新聞記者のアレックス(ユアン・マクレガー)、会計士デヴィッド(クリストファー・エクルストン)、医者のジュリエット(ケリー・フォックス)が4人目の住人として迎えた自称作家のヒューゴ。
ところが入居間もなく、ヒューゴは自室で死んでしまいます。ベッドの下には大金の入ったトランクが!!



これ久々に再見しましたが、何度観ても面白い!

それまで仲良く暮らしていた3人が、偶然手にすることになる大金をめぐり醜い争いを繰り広げることになります。
お金に目がくらんだ3人は警察に届けず死体を処理してしまうんですね。

タイトルのSHALLOW GRAVEは直訳すれば浅い墓。
人を殺した後など、十分な深さの穴を掘ることができないままに死体を埋めてしまうような時に使うようです。
勿論この浅さが元で、警察の捜査が入るようになるのです。追いつめられた3人のとった行動は。。

とにかく3人の関係の均衡が壊れていく様子が恐い恐い。

特に、くじで死体の処理を担当することになったデイヴィッドが精神的におかしくなっていく様子が不気味!!

金を守るため、デイヴィッドは屋根裏に立てこもるようになるのですが、
下の部屋からもれる光によってその表情を映し出したり、屋根裏からのデイヴィッドの視線を駆使することで、
緊張感と異常性を表現する映像手法も斬新なんですね~。

怒濤の展開のあと、迎えるラストにも唸ります。
緊張感の中に、ちょっとしたブラックユーモアも含め、友情の脆さや、欲に溺れる人間の愚かさを描いた秀作。


余談ですが、劇中ユアンが観ていたTVの映画はオリジナルの『ウィッカーマン』でした。



★★★★*