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映画ノート

素晴らしき哉、人生!


1946年(米)監督:フランク・キャプラ出演:ジェームズ・スチュワートドナ・リード/ライオネル・バリモア/ヘンリー・トラヴァース/トーマス・ミッチェルボーラ・ボンディ/フランク・フェイレン/ウォード・ボンド/グロリア・グレアム【ストーリー】主人公のジョージという男は、いつも何処かでツキに見放され、逆境にばかり立ち向かう運命にあった。自分のミスではなく大金を失った彼は、全てに絶望して自殺を図る。ところが、12月の冷たい河に飛び降りようとしたとき、彼より先に一人の男が身を投げて救けてくれと叫んだ。あわてて救けたジョージに、男は、自分は見習い天使だと告げるが……。

永遠のクリスマス映画!『素晴らしき哉、人生!

■感想
ブログ仲間も絶賛だし、リンダを派遣する英語教室のボスのスーザンにも絶対に観るべし!と薦められていたしで、
早く観たいと思いながら、これは絶対にクリスマスに!と今まで我慢していました。

ようやく観ました。いや~素晴らしいです。

冒頭、クリスマスに、天空(宇宙のといった感じですがw)の神様が、地上から届いたある願い事に応えるために、二級天使を派遣する段取りをするところから始まります。なんともワクワクするビギニングですね~。

主人公となるのがジェームズ・スチュワート演じるジョージ。

快活で多くの人に愛されるジョージは幼なじみとの結婚も果たすものの、何故か次々に困難にみまわれます。
誠実に生きているのに、常に自分以外の原因で人生を翻弄される展開に理不尽さを感じる前半。

後半、天使の登場により、ある奇跡が起こります。
そして彼を不幸に導いたと思える全てのことは、人や街の運命に大きな影響を与えていたことを知ります。
タイトルのように自分の人生は素晴らしいと気付くことになるクライマックス。これが感動的で涙が止まりません。
天使との会話の面白さもさることながら、伏線を巧みに使った構成にも唸りますね。


 ←おっさんな二級天使も笑えます(笑)

今回新しくリリースされたスペシャルエディションのDVDでの鑑賞で、特典にキャプラ自身の解説、キャプラの息子さんによる解説が収録されていました。

キャプラはこの映画を素晴らしいキャスト、脚本に恵まれた奇跡のような作品で、自分の最高傑作だと言っています。

「この世から戦争はなくなるべきで、自分は戦争映画を撮るつもりはない。人種問題を撮ろうとも思わない。」と語るキャプラ。
良心に溢れ、人々に美しい心を取り戻させるような作品こそ、彼が映画で伝えたかった世界なんでしょうね。

この作品は脚本の時点で様々な案があったようで、最初は「自分のいない世界」の替わりに、「リッチで横暴なジョージ」を見るというものだったらしいです。そのシーンは自暴自棄になったジョージのシーンに活かされていますね。
バタフライエフェクト』や『天使のくれた時間』など多くの映画の元になる作品な気がします。

クリスマスに観るべき、最高の作品でした。



★★★★★