しまんちゅシネマ

映画ノート

マリア


2006年(米)監督:キャサリン・ハードウィック出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ/オスカー・アイザック/ヒアム・アッバス/ショーン・トーブキアラン・ハインズ/ショーレ・アグダシュルー/スタンリー・タウンゼント/アレクサンダー・シディグ【ストーリー】ヨセフとの結婚が決まったマリアは、天使ガブリエルから神の子イエスを身ごもったことを告げられ、混乱する。婚約中にもかかわらず妊娠していることが周囲に知れ渡り、村人から蔑みの目で見られるマリア。そんな中、ヨセフはただ一人、神の子を身ごもったというマリアの言葉を信じる。やがて2人は、“救い主”誕生の予言に怯えるヘロデ大王から逃れるため、ヨセフの故郷ベツレヘムへの遥かなる旅に出るのだが…。
■感想
舞台となるのは今から2000年も昔の中東エルサレムのナザレ。
「イエスを身ごもった」とのお告げに戸惑いながらも、「救い主」を無事出産するためにベツレヘムへと旅に出るマリアとヨセフを描いた、まさにキリスト誕生の物語りです。

何故二人はわざわざ過酷な旅をするかと言うと、王よりも偉い「救い主」が現れるとの予言にびびったヘロデ大王が、人口調査にかこつけ、イエスを抹殺しようとしていたためで、王の手の届かないところに行く必要があったんですね。
ベツレヘムはヨセフの故郷であり、「救い主」が現れると予言された地でもありました。

マリアが次第に大きくなるお腹に母性を感じていくのは理解できるとして、悩みながらもマリアを信じ、「救い主」の父になり、マリアと子供を守ることを決意するヨセフは勇敢で立派でしたね。
ベツレヘムへの過酷な旅をする中で、静かに夫婦の絆を強めていく二人の様子も素敵でした。

本作で聖母マリアを演じるのは、『クジラの島の少女』のケイシャ・キャッスル=ヒューズ
一人中東系のお顔でないのが気にはなりましたが、頼りなさげな少女の顔から、母の顔へと表情を変えていきます。
ヨセフを演じたオスカー・アイザックは強さと暖かさを兼ね備え、包容力のある素敵な役所。
マリアを見つめるまっすぐな眼差しが印象的でした。公開中の映画『ワールド・オブ・ライズ』にも出てるようです。

キリスト教の信者でもないのに、出産のシーンは静かな感動を覚えますね。
ラストシーンに流れる「聖しこの夜」が厳かで美しく、心が洗われるようでした。
クリスマスの前に観て良かったと思いましたよ。

ただ、私は先日のリンダの話しを聞いていたので、理解しやすかったのだけど、上の画像について(人物の詳細、贈り物の内容など)説明しろと言われても、まだ十分にはできません^^;
聖書に馴染みのない日本人には、どうしてもピンとこないところも多いかも知れませんね。





★★★*☆