しまんちゅシネマ

映画ノート

ベンジャミン・バトン 数奇な人生


2008年(米)監督:デヴィッド・フィンチャー原案:F・スコット・フィッツジェラルド出演:ブラッド・ピットケイト・ブランシェットティルダ・スウィントンジェイソン・フレミングイライアス・コティーズジュリア・オーモンドエル・ファニング/タラジ・P・ヘンソン【ストーリー】赤子なのに老人のようなその子は親に捨てられ、老人ホームで暮らす黒人女性に助けられ、ベンジャミンと名付けられる。成長と共に少しずつ見た目が若くなっていく彼はある日、美しい青い瞳を持つ娘デイジーと出会う。
■感想
フロリダのユニバーサルスタジオにある劇場で観て来ました^^

今回フィンチャーブラッド・ピットが送り出すのは、世にも不思議な人生を送った一人の男の物語。
デヴィッド・フィンチャーがこういう作品を撮るのだなぁと、意外な気がするほどファンタジックでした。

人は誰も無垢な赤ん坊として生れ、成長し、やがて老いて死んでいく。
ところが主人公ベンジャミンは、老人として生れ、時を重ねるごとに若返ってしまうのです。
しかも、彼一人だけが・・・



この映画の見所の一つは、勿論ベンジャミンに扮するブラピの若返る様子を見ることでしょう。
だんだんと青年に近づいていく姿には、じゅりさんじゃなくともドキドキしちゃうはずw
逆光の中佇む美しすぎるベンジャミンには、もう、うっとり♡ですから(≧∀≦)ノ


無垢な赤ん坊として周囲の愛情を一身に受け、与えられた愛情に報いるべく責任を果たしながら
再び愛情に包まれて死んでいく。それが人の一生。でもそれが叶わないとしたら‥。
一人若返り続けるベンジャミンの苦悩と葛藤を目にするとき、年を重ねることの意味を考えさせられます。


ベンジャミンが老人の姿をした子供の頃に出会う青い瞳の少女デイジー
その成長した姿を演じるのがケイト・ブランシェットです。

やがて恋に落ちる二人。でも、愛する人が若返っていく一方で、自分は老いていく、、デイジーも哀しいのです。
ケイトも若く美しい姿から死の床にある老人の姿まで演じているんですが、流石の演技力がこれを助けます。
バレリーナとして踊るシーンはケイト自身の姿なのかしら。しなやかでとっても奇麗!!


でもね、ケイトとブラッピー、なんとなく似合わない気がするのは私だけかなぁ。
このデイジー役、もともとはレイチェル・ワイズにオファーされていたのだとか。
うん、デイジーという名前もブラッピーの恋の相手としても、レイチェルの方が似合ってたかも。

この作品、終ってみて気付いたんですが、なんと2時間47分という長い映画でした。
先が気になるストーリーだからか、比較的淡々としているにも関わらず、一瞬も退屈することがなかったです。

老いて生れ、時間を遡っていく男の奇妙な人生。それはまた、周囲の愛情に支えられた人生でもありました。

赤ん坊の頃捨てられたベンジャミンを拾い育てた、黒人女性クゥーニー(タラジ・P・ヘンソン)の
愛情の深さにまず最初からウルウルです。

最後はとっても穏やかな気持ちで観終えることが出来ますよ。


ベンジャミンとデイジーの子供としてブランジェリーナ(ブラピ&アンジェリーナね)の愛娘ちゃん(当時10ヶ月)がカメオ出演してますのでチェックしてくださいね。

メイクに5時間という年寄りの姿で初めての恋を経験したり、本当は5歳児なのに老人としての分別を求められたり
複雑なベンジャミンをブラピは比較的淡々と、時にユーモラスにそして切なく美しく演じてくれました。

音楽や美術は文句無し。アカデミー賞にどう絡んでくるか、気になるところですね。


日本公開は2月7日からです。お楽しみに!!



★★★★☆