しまんちゅシネマ

映画ノート

カラーパープル


1985年(米)監督:スティーヴン・スピルバーグ出演:ウーピー・ゴールドバーグ/マーガレット・エイヴリー/ダニー・グローヴァーオプラ・ウィンフリーアドルフ・シーザー/ウィラード・ピュー/アコスア・バシア/デスレタ・ジャクソン/レイ・ドーン・チョン【ストーリー】16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスターのもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。愛する妹も夫に襲われ、彼女は失意のまま、アフリカへ渡った。
■感想
ある一組の黒人姉妹がさまざまな障害を乗り越え生きていく様子を、40年の歳月に渡って描いた感動巨編。
監督はスティーヴン・スピルバーグ。原作はアリス・ウォーカーによるピュリツアー賞受賞作品です。

オバマ氏就任を祝い、今日はブラック・ムービーを。

黒人を主体にした映画と言うと、人種差別ものが一番に思い浮かぶところ。
最近ではギャングや麻薬と言った類いのものが多く、その手は好んで観ないのですが、本作は人種差別もギャングもなし。
でも1900年の初頭、黒人女性の地位はこんなものだったのかと驚くばかりです。

本作で描かれるのは、義父による性的暴力、夫の背身と暴力、子供や姉妹との別れ。
16歳で名前も知らない夫ミスター(ダニー・グローヴァー)の元に嫁がされたセリー。
大人になったセリーを演じるのが、ウーピー・ゴールドバーグです。
夫からはお手伝い同様に扱われ、笑顔も失ったセリー。
それでもひたむきに生きるセリーに変化をもたらすのが、ある日突然夫が家に連れて来た歌手シャグの存在でした。
本来なら憎むべき存在であるシャグから、セリーは前向きに生きる力を与えられんです。

鬱々としながらも本来の弾けんばかりの明るさを内に秘めたセリーはどこか飄々としていて、ちょっとお茶目だったり。
ウーピーはこれがデビュー作だと思えない演技です。



ソフィーを演じたオプラ・ウィンフリーも本作がデビューだったんですね。
今ではトークショーの司会で押しも押されもしない有名人ですよね~。

この世で唯一信じ合うことのできる愛する妹との別れのシーンは涙、涙。
そして40年後にようやく妹が無事に暮らしていることを知るシーンでは、涙腺の防波堤が崩壊状態です。

苦難を乗り越え、人々が助け合い、絆を結びながら再生していく姿には感動。
エンタメ性もあり、構成力など随所に上手さを感じるのは流石にスピルバーグ!!
観応えがありました。



★★★★*