しまんちゅシネマ

映画ノート

Smile Pinki(原題)


2008年(インド)監督:メーガン・マイラー
インドで口唇裂の子供たちに無料の手術を提供する外科医スポード・クマール・シン氏の活動を描いたドキュメンタリー。
本年度のアカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞しました。

口唇裂は日本ではみつくちなどとも言われる先天性の奇形で、
インドでは年間35000人の子供がこの障害をもって生まれてくるのだそうです。

貧しい家庭の子供に多く発生しており、栄養不足など、環境因子の関与などが疑われるものの
まだ、はっきりした原因は分っていないようです。

一般的には幼児期に手術を受け、将来に障害を残すこともない疾患ですが、
インドの貧しい人たちは、手術をするお金がないので、子供たちは障害を持ったまま。

発声に障害が生じるため言葉が上手く話せない、いじめられる、などの理由で学校にも行かない子供たちが大勢います。



タイトルのピンキーは、今回手術を受けた女の子。当時5歳かな。この子がまたかわいい。
子供に手術を受けさせるどころか、満足に食事も与えられないと嘆く父親が、
無料で手術を受けられると聴き、ピンキーの未来に希望を見出す様子、手術後に会心の笑顔を見せる姿には
観ている私の方が泣けてしまいました。

外科医のシン氏は、病院に集められた寄付をもとに、無料の手術を提供してるんですね。
氏の勤務する病院では、毎日12人の口唇裂の子供を手術していると言うから驚きです。



アカデミー授賞式には、ピンキーもシン医師らと一緒にお目見えしたようです。奇麗になって良かったね。
赤いドレスの女性が監督さんですね。女性だったんだ。

40分という短い作品ながら、インタビューに応える形で、障害がもたらす心の傷が語られていたため
手術によって、子供たちや家族の心が明るく開放されるのかがわかる後半がとても感動的でした。

受賞がきっかけとなって、原因の解明に向け支援があるといいですね。


★★★★★