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映画ノート

パルーカヴィル


1996年(米)監督:アラン・テイラー出演:ヴィンセント・ギャロウィリアム・フォーサイスフランシス・マクドーマンド/アダム・トレーズ   ギャレス・ウィリアムズ/リサ・ゲイ・ハミルトン/ブリジット・ライアン/キム・ディケンズ   スザンヌ・シェパード   ニコール・バーデット/ロバート・ルポーネ/ウォルター・ブライアント/ダグラス・シール【ストーリー】ラス、シド、ジェリーの失業者3人組は一攫千金を狙って綿密に計画を立てるがいつも失敗ばかり。。
■感想
失業中のダメダメ3人組が強盗を企てる姿を描く、クライム・コメディです。
監督は大学の卒業制作の短編映画が高く評価されたアラン・テイラー
長編デビュー作である本作で、ヴェネチア映画祭最優秀新人監督賞を受賞
現在は『ローマ』『6フィート・アンダー』『ロスト』などなど、数々の人気TVドラマの監督に名を連ねる活躍ぶりですね。


ダメダメ失業者3人組を演じるのはヴィンセント・ギャロウィリアム・フォーサイスアダム・トレーズという顔ぶれ。


ギャロ演じるラスは、母親、警察官の夫を持つ姉と同居し、息も詰まりそうな暮らしぶりw
窓越しの恋人とベッドを共にする身ではありながら、誰かに指図を受けることが死ぬほど嫌いで、恋人とも衝突。
ちょっとボケ気味な母親との会話は笑えます。ストレスがいっぱいの様子が哀愁w

シド役のウィリアム・フォーサイスの芸達者ぶりもいい。
愛犬にまつわるエピソードで笑いをとります。

ジェリー役のアダム・トレーズは少年隊の植草くんにしか見えなかったんだけど、
やたら食ベ物にこだわるところが大ウケ。


綿密に計画を練ってもいつも失敗し、喫茶店で反省会w
銀行輸送車強奪のシミュレーションに自宅でビデオを観てると、家族全員集まって、みんなで映画鑑賞会になっちゃったりw
何をやっても上手くいかない3人。だって根っからの悪党じゃないんだもん。



89分と、コンパクトながら、練られたストーリー、差し込まれた会話の可笑しさもかなり上質。
スパイ映画さながらのBGMもお洒落で、監督のセンスが光る作品に仕上ってますね~。

こんな優しいクライム・コメディって珍しいかも。後味もいいです。



★★★★☆