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映画ノート

時計じかけのオレンジ


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私が最初にレイ・リオッタを観た、もしくは意識したのは『不法侵入』。
これがもの凄く怖かったので、しばらく レイ・リオッタ=サイコで不気味な悪党 というイメージでした。

なので今日は「サイコで不気味な悪党」繋がり。

AFIの「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100」をみてみると
羊たちの沈黙』のレクター博士の一位を筆頭に、ヤダね~って思う面々が顔を揃えてます。
ちょっと面白いので気になるところを抜き出してみると
1位 『羊たちの沈黙ハンニバル・レクターアンソニー・ホプキンス
2位 『サイコ』ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス
3位 『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』ダース・ベイダー
5位 『カッコーの巣の上で』ラチェット看護婦(ルイーズ・フレッチャー)
12位 『時計じかけのオレンジ』アレックス・デラージ(マルコム・マクダウェル
13位 『2001年宇宙の旅』HAL 9000
14位 『シンドラーのリスト』アーモン・ゲート(レイフ・ファインズ
今なら絶対に『ダークナイト』のジョーカー、ヒースが上位に入るでしょうね。
全リストはこちら

今日はこの中から『時計じかけのオレンジ』のアレックスをチョイス。

1971年(イギリス)監督・脚本:スタンリー・キューブリック出演:マルコム・マクダウェル/パトリック・マギー/エイドリアン・コリ/オーブリー・スミスマイケル・ベイツ【ストーリー】近未来、毎日のように暴力やセックスに明け暮れていた不良グループの首領アレックスは、ある殺人事件で仲間に裏切られ、ついに投獄させられてしまう。そこで彼は、攻撃性を絶つ洗脳の実験台に立たされるが……。
■感想
前に観かけて、前半の暴力にまみれた映像にリタイアしてました。こんなのばっか^^;
でも観直して良かったです。名作と言われるゆえんがようやく分りましたね~。

もう語り尽くされた作品かしら。以下はネタバレを含みますので、これからご覧になる方はご注意ください。

14歳のアレックス(マルコム・マクダウェル)は友人とつるんで、暴力やレイプに明け暮れる不良少年。
ある日、殺人の容疑で投獄されてしまったアレックスは、政府の科学プログラムの実験台となるのです。


あれだけ邪悪だった少年が、プログラムにより、悪に触れるだけで激しい吐き気に襲われ嫌悪感を感じるようになる。。
しかも実験中の映像の中に大好きなベートーヴェンの第九が使われていたため、これを聴いただけでも酷い吐き気に襲われるようになるんですね。

少なくとも更正前には音楽を愛し、ペット(蛇ですがw)を愛し、自分自身で考え、行動していたアレックスが
更正後は全てを奪われ、行動のみ強制的に制御された形になってるんですね。
これがいかに不幸で、恐ろしいことであるかを感じることになります。
心を伴わないキュアではダメなのです。

アレックスという強烈なキャラを演じ切ったマルコム・マクダウェル恐るべし
片目の下に付けまつげに、白いつなぎスタイル
これだけでも不気味で邪悪な雰囲気に満ち溢れているんですよね。
素人目にもその映像センス、撮影技術には目をみはるものがありました。



シニカルでブラックだけど、強制的に思考や行動を統一することの恐ろしさや
善悪の判断のもと、道徳的に行動することの大切さなど、今の時代に通じるテーマを感じました。



★★★★☆