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映画ノート

博士の異常な愛情 -または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか-


関連映画祭り6本目!

時計じかけのオレンジ』からの関連で 今日はもう一本キューブリックいってみまーす。
1964年(イギリス/アメリカ)監督・脚本:スタンリー・キューブリック出演:ピーター・セラーズ/ジョージ・C・スコット/スターリング・ヘイドン/キーナン・ウィンスリム・ピケンズ/ピーター・ブル/トレイシー・リード/ジェームズ・アール・ジョーンズ【ストーリー】アメリカ軍基地の司令官が、ソ連の核基地の爆撃指令を発した。司令官の狂気を知った副官は、司令官を止めようとするが逆に監禁されてしまう。大統領は、ソ連と連絡を取って事態の収拾を図る。しかし、迎撃機によって無線を破壊された1機が、ついに目標に到達してしまう……。
■感想
核による世界破滅を描いたSF近未来ものです。

ソ連が「ドゥームズデイ・マシーン」という最終兵器を開発したとの噂がささやかれる近未来のある日、
米軍基地から突然、ソ連の核基地爆破のR作戦の実行が指示された。
R作戦とは「敵を核攻撃せよ」との秘密コード。
大統領にしか許されないこの指令を発令したのは、米軍バーペルスン基地のジャック・D・リッパー将軍。

のちのちに分ってくるのだけど、どうも頭がイカレているらしい^^;

怖いのは一旦指令が発令されると、攻撃に向かう爆撃機には、他の指令をシャットアウトする機能が働き、
攻撃を中止する命令が伝わらないこと。

ペンタゴンでは大統領が閣僚を集め、事態の収拾を話し合う。
大統領はソ連爆撃機の撃墜を依頼‥



いや~、冷戦時代にこの内容。なんとも大胆です。
ピーター・セラーズは大統領、リッパー将軍の副官マンドレーク大佐、車いすのストレンジ・ラブ博士の一人三役!
大統領が電話でソ連の首相ディミトリに爆撃機の撃墜を依頼するシーンも笑えるし、
ソ連の爆撃になぜか嬉々としてノリノリのタカ派なタージドソン将軍(ジョージ・C・スコット)の存在もシニカル。

ストレンジ・ラブ博士に至っては、とんでもないもの作ってる。。
彼は右手が勝手に自分の首を絞め、それを左手で制御するっていう奇妙な多重人格キャラ‥ドイツ人だしw
とにかくいたるところに皮肉が込められてて、ニヤりだったり爆笑だったり。登場人物の名前もみんな面白い。


気が狂った一人の人物の発令が世界の破滅に繋がるっていうのも、ブッシュしかり、北朝鮮しかりで、、
なんか笑えない怖さもあるのよね^^;
しかし、これ映像的にもすっごいです。

やってくれますなぁキューブリック。って、今頃こんなこと言ってるのは私だけですね(笑)

映画の中ストレンジ・ラブ博士の台詞にもFAIL-SAFEって出てくるけど、シドニー・ルメットの『未知への飛行』は
これとほぼ似た内容のシリアスバージョンらしいのね。それも観なきゃだわ。



★★★★★