未知への飛行
関連映画祭り 7本目!
ちょっと間が開いてしまいましたが、前回はキューブリックの『博士の異常な愛情』でした。となればもうこれいっとくしかないですよね。
はい、ほぼ同じ設定で同年に作られたシドニー・ルメットの『{未知への飛行』です。
1964年(米)監督:シドニー・ルメット出演:ヘンリー・フォンダ/ダン・オハーリヒー/ウォルター・マッソー/ラリー・ハグマン/ソレル・ブーク ドム・デルイーズ/ダナ・エルカー/フランク・オーヴァートン/エド・ビンズ/フリッツ・ウィーヴァー【ストーリー】アメリカの軍事コンピュータが、誤ってソ連に対する核攻撃指令を発してしまう。命令を受けた爆撃機は直ちにモスクワへ向けて発進、帰還可能ポイント=フェイル・セイフを超えてしまう。ソ連側の迎撃部隊も、爆撃機を撃墜することができず、ついに全ての手段は失われる……。■感想
冷戦時代、アメリカの軍事コンピューターが誤ってソ連への核攻撃指令を発してしまう。
誤りに気付くも、アメリカ軍は爆撃機を止めることが出来ず、ソ連にホットラインを通じて爆撃機の撃墜を依頼する。。
うわ~、もうここまでは『博士の~』と全く同じ説明でいいんですから、ビックリです。
『博士の~』がイギリスの製作であるのに対し、こちらはアメリカ製作という点も大きな違いを生んだかもしれません。
キューブリックはことの顛末をとことんブラックに描き切ったけど、アメリカ国民としてはそうはいかないでしょ。
キューブリックはことの顛末をとことんブラックに描き切ったけど、アメリカ国民としてはそうはいかないでしょ。
広島、長崎に核を落とした国として、その責任を振り返る部分もあることを感じました。
政治学者(ウォルター・マッソー)と国防総省長官をはじめとする軍関係者とのやり取りにより
私たちは戦争責任はどう負うべきか、その所在はどこにあるのかということを存分に考えさせられ
そのあげくに大統領の下した決断を目の当たりにし、大きな衝撃を受けるのですよ。
私たちは戦争責任はどう負うべきか、その所在はどこにあるのかということを存分に考えさせられ
そのあげくに大統領の下した決断を目の当たりにし、大きな衝撃を受けるのですよ。
味方機の撃墜に歓声をあげる軍司令部のメンバーをバック将軍が叱咤したり
核攻撃される対称は、まぎれもない人間であることを改めて考えさせられる構成にも唸ります。
核攻撃される対称は、まぎれもない人間であることを改めて考えさせられる構成にも唸ります。
キャラクターがどれも立ってて、それぞれ役割を果たしてるのが素晴らしいですね。
ソ連への攻撃指令を受けとってしまう爆撃機のパイロット、事態の収拾に息を飲む軍指導者たち
この機会に一気にソ連を攻撃しろとあおるタカ派の政治学者。。
マッソーさんはいつひょうきんな姿を見せてくれるかと期待してたけど、最後まで真面目な演技でした(笑)
この機会に一気にソ連を攻撃しろとあおるタカ派の政治学者。。
マッソーさんはいつひょうきんな姿を見せてくれるかと期待してたけど、最後まで真面目な演技でした(笑)
水爆を搭載した爆撃機が、撃墜をかわし、刻々と目標のモスクワに近づく様子にとにかく緊張。
大統領のヘンリー・フォンダと同時通訳の青年がホットラインを通じソ連と交渉する様子の緊迫感と言ったら!
ラストシーンはトラウマになりそうに怖かった(つω-`*)
大統領のヘンリー・フォンダと同時通訳の青年がホットラインを通じソ連と交渉する様子の緊迫感と言ったら!
ラストシーンはトラウマになりそうに怖かった(つω-`*)
BGMが一切無かっただけに、冒頭とラストの「音」がとてつもない効果を果たすのですよね~。
邦題の『未知への飛行』というのに、ピンと来ないと思ったのだけど、
機械を過信し、戦争がますますゲームのようになってしまう未来に警鐘を鳴らす意味もあるのかな、、。
機械を過信し、戦争がますますゲームのようになってしまう未来に警鐘を鳴らす意味もあるのかな、、。
驚きの傑作でした。
★★★★★
次はなにに繋げようかしら