しまんちゅシネマ

映画ノート

セントアンナの奇跡


関連映画祭り 14本目!

昨日の『ジョニーは戦場へ行った』は第一次世界大戦を背景にした作品でした。
今日はちょっと時代を進めて、第二次世界大戦にいっちゃいます。

戦争繋がりで『セントアンナの奇跡』です。
2008年(アメリカ/イタリア)監督:スパイク・リー出演:デレク・ルーク/マイケル・イーリー/ラズ・アロンソ/オマー・ベンソン・ミラー/   エルフランチェスコ・ファヴィーノ/ヴァレンティナ・チェルヴィ/マッテオ・スキアボルディ   セルジョ・アルベッリ/オメロ・アントヌッティ/ルイジ・ロ・カーショ/ジョン・タートゥーロ   ジョセフ・ゴードン=レヴィットジョン・レグイザモ
■感想
社会派のスパイク・リー監督が史実をヒントに綴られた同名小説を映画化した戦争ドラマです。

1983年、ニューヨークで切手を買おうとやって来た客を黒人郵便職員が射殺するという事件が起こります。
犯人ヘクターは退役兵士で叙勲まで受けた男。退職まで3ヶ月という時にヘクターはなぜ殺人を犯したのか。
その動機と被害者との関係を調べる中、ヘクターの部屋からは歴史的美術品であるイタリアの彫像の頭が見つかります。

様々な謎を残したまま、時代は1944年へと遡り、第二次世界大戦下のイタリアへと舞台が移ります。

ヘクター(ラズ・アロンソ)はこの時代、“バッファロー・ソルジャー”に所属しイタリア戦線を闘ったんですね。

これタイトルからすると、このセントアンナで奇跡が起こるように思ってしまいますが、ちょっと違う。

ここで描かれるのは黒人で編成された“バッファロー・ソルジャー”に対する軍の非情な扱いなど黒人差別の問題が一つと、
イタリア戦線における国の混乱、そして悲惨な虐殺。

思いのほかガッツリと戦争を描いた作品なんですね。

ヘクターが何故ある男を殺したのか、それを解く鍵もここにあります。

また、ヘクターを中心とする黒人兵士は、ここで一人の少年と出会い命を救い、放置できずに共に行動するんですね。


白人に迫害されていた黒人たちと白人少年との心の交流という温かなエピソードでもあるわけで
それだけに、兵士たちの悲しい運命には心が痛みます。

最後にやってくるミラクルには心が温まる一方で、、
映画的にはちょっと作り過ぎかなぁという気がしなくもないです。ここは賛否の別れるところかも知れません。

この作品は歴史的な背景をしっかり掴んでおくと、より分りやすいでしょうね。
歴史に疎い私は、途中やや混乱^^; 長いのもあって途中睡魔に襲われました。評価は観直してからにします。

少年役のマッテオ・スキアボルディ君が可愛かったです。演技も良かったし、これからが楽しみ!

間もなく公開です。目を覆いたくなるようなシーンもありますので、ご注意ください。