しまんちゅシネマ

映画ノート

昼顔


9/2から開催されていたヴェネチア映画祭も12日で閉幕。
受賞結果が発表になりましたね。
受賞結果一覧はこちら

ところで
ベネチア映画祭のグランプリ作品は、実は「黒く塗りつぶせ!」の課題にしてるんですが
実は、ちーっとも観れてません。
今現在こんなところ、キャ(*>∀<*)

いかんよね~。
受賞作に、あまり惹かれないのかなぁ^^; アジア系が多いしね。
でも観るなら今よね、ってことで
今月一杯は「今週の注目映画シリーズ」と平行して、「ヴェネチア映画祭特集」とします。

この特集では
金の獅子賞受賞作を少々と、あとはグランプリ以外の賞を受賞した中から気になるものをいくつか、
そして、今年のコンペティション部門に参加した監督の代表作などを観ていきながら、
ヴェネチア映画祭を知っていければいいなと思います。


初日はこちら


1967年(フランス)監督:ルイス・ブニュエル出演:カトリーヌ・ドヌーヴジャン・ソレル/ジュヌヴィエーヴ・パージュ/ミシェル・ピッコリ   フランソワーズ・ファビアン/マーシャ・メリル/ピエール・クレマンティ/クロード・セルヴァル【ストーリー】若い外科医の妻セブリーヌは、外見は貞淑な女性だったが、内面には激しい情欲が渦巻いていた。淫らな妄想に駆られたあげく、彼女は、昼間だけの娼婦として欲望に身をまかせるようになる……。

ヴェネチア映画祭特集 1本目 カトリーヌ・ドヌーブの妄想『昼顔』

■感想
第28回ヴェネチア映画祭 金の獅子賞受賞の作品です。
監督は『アンダルシアの犬』『ブルジョワジーの密かな愉しみ」のルイス・ブニュエル

馬車から引きずり下ろされ、森に連れて行かれ御者に犯される‥
そんなシーンから始まって、ちょっとびっくりの本作
実はこれヒロインの妄想の世界なんですね~。


ヒロインのセブリーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は外科医の夫と暮らす貞淑な妻。
夫のことを愛しているのに、夜の生活は拒みがち。
でも内には激しい情欲を秘めていて、頭の中では常に淫らな妄想が渦巻いている、なんていう設定。

美女の代名詞のドヌーヴが、人気絶頂の頃にこういう役をやるってのは
結構なチャレンジャーですよね。。

「昼顔」という源氏名をもらい、昼間だけの娼婦として、
娼婦館で殿方の多才な変態プレイのお相手をする訳なんだけど、ドヌーヴはあくまで高貴なイメージを壊さない。
だからなのか、彼女の体型が好みでなかったからなのかw エロさは感じませんでした。

幼い頃の性的な体験が元になっていると思われるその淫乱な心も
美しく貞淑であらねばと思えば、一層にふくれあがるのだろうというのも分らないではないし。
ドヌーヴの高貴な美しさがそのギャップにリアリティを与えてましたね。

途中ヒロインの現実と妄想が入り乱れて展開し
最後は監督にいっぱい喰わされた!という感じですが
こういう終わり方は嫌いじゃないです。

★★★★☆